2019-08-13
2016年のことです。
とある出版社の編集者さんが、東京で開かれたとあるパーティで交換した私の名刺の水彩画に目を留めて、仙台の事務所に電話をくださいました。当時の名刺はこの絵柄でした。フランスブルターニュを描いた水彩画をあしらっていました。
「今、一冊の絵本が進行中です。名刺の絵が思い描いている絵本の雰囲気にぴったりなんです。お仕事ご一緒しませんか?」(編集氏)
「もちろん喜んで!」(私)
「ありがとうございます。打ち合わせですが、文章書かれている作家さんのお住まいは徳島なんです。古山さん、大阪方面にいらっしゃる機会なんて、、、お住まい仙台ですもんね、、、無いですよね?」(編集氏)
「え!?2週間後にオフで大阪旅を決めていますよ!二泊三日です。そのタイミングでよければ」(私)
「そうですか!では作家さんに確認してみますね!」(編集氏)
…
「古山さんが大阪にいらっしゃる日だけ、予定が空いているそうです!ぜひ打ち合わせましょう!」(編集氏)
私の大阪への滞在旅は実は人生で2回目。1回目は高校の修学旅行。2回目のその時は完全にオフでの大阪行きでした。(ほかに一度だけ途中下車はあります)手元の航空券が、まさに奇跡のチケットのように見えました。
とある出版社とはPHP研究所、作家さんとは、児童文学作家くすのきしげのり先生です。大阪で打ち合わせた仕事は、その後絵本「あなたの一日が世界を変える」として出版されました。
イラストレーターとして仙台で独立したのは1994年。当初から絵本は関わりたい創作表現でしたが、なかなか結びつきませんでした。が、「無駄はない。思いつづけろ。地道に前に進め。さらば道は拓ける」そんな旅の神様の声が聞こえた気がしました。(註:「旅の神様」とは、若き頃のバックパッカー体験から私が勝手に思っている、『不思議な出会いをくれる大いなる存在』のこと。)
今もくすのき先生とのタッグで新しい絵本が進行中です。これも旅の神様の計らいなのでしょう。
9月23日まで、徳島県立文学書道館で『くすのきしげのりの世界展』が開催中です。
絵本「あなたの一日が世界を変える」「交響曲『第九』歓びよ未来へ!」のイラストを描くことでご一緒しました。
展示では、100冊を越える著作くすのきワールドを俯瞰できます。もちろん私の関わった絵本も仲間に入っています。
ぜひ足をお運びください。