x4160677 - Part 29
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今まで生きてきたことを振り返ってみると、卒業、とか、退社、開業、そういったいわゆる「節目」のはっきりした記憶がない。
勤続○○年叙勲の高級時計とか、映画で見たことがあるけど、フリーランス自営業は節目の記念品を仲間からもらうことも無い。
そんなわけで節目はいつも曖昧で、日々に追われているうちに忘れてしまう。
昨日8月31日は、立町のギャラリーアトリエ・アルティオの賃貸契約終了日だった。
がらんとした室内で管理会社の立会人を待っていると、「こんにちは!」と女性と子供の声が。
振り返ると扉の向こうに、通り向かいの「すまいる立町保育園」の先生方とちびっ子たち。
「今日がアルティオさん、終わりですね。みんなでこれを作りました。受け取ってください」と先生から促されちびっこの手から渡されたのは、ハロウィーンの時の写真をコラージュした、色紙。
下には「2021年8月31日」の手書き文字。
節目に記念品を貰うなんて初めてのことだった。
じわっと視野の端が滲んだ。
何かの終わりの時には、すでに新しいことが動き始めていた。
だから何が終わりで、何が始まりだったかは常に曖昧なままだ。
あたかも旅で街から街へ移動するがの如く。
街境に人が立てた標識はあれど、その周囲の空気に線引きは、無い。
ぼくらの旅は、その繰り返しだった。曖昧な終わりと緩やかな始まり。
それでいいと思う。
色紙は、額に納めて森のアルティオのプライベートに飾っておこうと思います。
気がつくと前のブログから一月が経ってしまいました。
立町アルティオギャラリーのテナント契約が8月いっぱい。それに伴って後片付けと現状復帰、同時に川崎町の森のアルティオの移転準備、それらを水彩イラストの仕事と同時進行で進めていました。
言うは易し成すは難し。これ、笑えるほど。。。還暦前の体力あるうちの決断でよかった、、、と本気で思っています。(写真は少しずつ形ができてきた森のアルティオ内部です。あ、ちなみに食事は出せません、あしからず。現在準備中)
さて、そんなひと月、新しいクライアントさんと知り合いになったり、新規の仕事も動き始めたりで、一つをクリアにすると新しい何かが生まれるものです。今までも常にそうでしたが、今回もそう。
「見知らぬまちにいこうと思ったら、今いるまちを去らなきゃならない。」。心はいつも流浪の民。
このひと月、書家さんとの共作が立て続けに発表されました。一人は菅原紫雲先生。
菅原先生は原爆のことをご自分の言葉で書かれました。ぼくは末尾に墨画を添えました。その出会いは必然としか思えない邂逅でした。
震災遺構の大川小学校・大川震災伝承館で、描いた水彩イラストが公開されました。(モニター上で大川地区の記憶を描きました。黒子ですが)この仕事は、今は亡きプランナー・故・三國仁志氏がぼくに託した仕事でした。三國さん、絵、仕上げたよ。
一昨日までせんだいメディアテークで開催されていた書展にぼくの描いた抽象画が縁あって書の傍に展示されていました。
そのタイトルは「航路の記憶」です。書に書かれた言葉「今を生きる誰もが太古からの記憶をのせた舟」は記憶の航路のキャプションにぼくが描いた一文からの抜粋でした。
航路とは、「人は太古から記憶をのせた舟」であることを暗喩してつけた言葉です。書家天艸久美子さんがその言葉を渾身の作品に仕上げ、文部大臣賞を受賞しました。言葉に命を吹き込んでくれました。
それらは全て、「アルティオを始めよう」、そして「森の中へ移そう」と決めたことと、緩やかにつながっているような気がします。いえ、もっとはるか前から織られていたことなのかもしれません。
改めて、表現もまた、「記憶をのせた舟」であるのだ、と思っています。最も気分だけは流浪の民ですから、これから、どこへ流れていくのかは、自分でもわかりません。
ただ一つ言えることは、描きたいもの、描いてほしいと求められるモチーフたちと四つに組み合って、一枚一枚ぼくなりに丁寧に描いていきたい、ということです。
(森のアルティオ:モリアル=は現在鋭意準備中です)
■ アルティオ移転のお知らせ ■
立町ギャラリーショップ・アトリエアルティオは7月24日をもちまして閉店いたしました。
秋口10月には川崎町の蔵王の裾野の「サバトの森」に、土日限定のアトリエギャラリーとして移転します。
運営母体の絵画工房「ランズエンド」の住所・メールアドレス・連絡先に変更はございません。(仙台市青葉区新巻神明町18-4)
対面でのお打ち合わせ、オーダーのご依頼は、平日はランズエンドの工房にて承ります。
紅葉の時期、森の中にて再開する予定で準備中です。
■ 2012/7/27 ■
宮城県の地銀・七十七銀行様のミニエンクロージャー誌の表紙を古山が描いた水彩画が使われました。
定禅寺通りに立つエミリオグレコの銅像「夏の日の思い出」があしらわれています。
銀行各支店のラックに設置されています。お見かけの際はどうぞご覧ください。
おかげさまで、ご愛顧いただいてきました立町のアトリエ・アルティオは7/24を持ちまして閉店しました。閉店感謝セールに大勢の皆さんのご来場をいただきました。今があるのは、皆さんが足を運んでくださったから、と痛いほど感じ入った感謝セールでした。心から、深く感謝御礼申し上げます。
秋口に川崎町「サバトの森」の中で移転オープンいたします。それまで今しばらくお時間を頂戴しますが、ぜひまた遊びにいらしてください。(移転先住所:宮城県川崎町大字前川字手代塚山2-108 ブログで準備状況を時々お知らせしていきますね)
広告、出版のイラスト仕事のベースは、仙台市青葉区荒巻神明町の絵画工房ランズエンドで変わりありません。連絡先等も今まで通りです。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
追記です。
「イラストレーションギャラリー」に担当した仕事をアップしました。七十七銀行様のディスクロージャー誌の表紙です。定禅寺通りの水彩画をお使いいただきました。以下からご覧ください。
https://www.artio.jp/category/gallery2
小さな店だったけど思い出はいっぱい!ありがとう!
筆を持つ熊。アルティオはケルト語で「熊さんの女神」です。ありがとう!!
「うさぎを描く熊」がワンポイントでした。ありがとう!!!
七十七銀行・ミニディスクロージャー誌/#水彩イラスト
感謝SALE企画2日目終わりました。
アルティオという空間にはたくさんの思い出が詰まってます。
アルティオメモリーズを少しずつアップしていきます。今日は、 「アニメ・広瀬川 きみの翼になれたら」
コロナ禍で外出がままならない中、全国100人のみなさんと共に作り上げた手作りアニメーションがありました。2020年秋完成。YouTube公開。
ぼくが描いた500枚の原動画に、企画にネット通じて賛同してくれた100人の皆さんが5枚ずつ色鉛筆で着彩。1分ちょっとの短編パラパラアニメだったけど、一生忘れられない作品となりました。
100人の美を一つのアニメに集めたプロジェクトってそうザラにはない!と思ってます。手作りのパラパラアニメ ですが、ぼくは立派な「美術作品」だと思っています。
ぼくの中では、「広瀬川〜きみの翼になれたら」こそ、地の果てのアルティオに立つ輝ける金字塔、日本一のアニメなのです。
ご協力くださった全国の皆さま、本当にありがとうございました。
またいつか一緒に作りたいですね。