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革新的なデジタル水彩ソフト(アプリ)「Rebelle3」を開発しているescape motions=エスケープモーションズ社が、10人の水彩アーティストとして、私=古山拓の作品を紹介しました。サイトescape motionsはこちらです。

以下は、エスケープモーションズ社がアーティストとしての私を紹介してくれた文です。

[Japanese master painter and owner of his gallery focuses on traditional landscape paintings but is not afraid of experimenting with the digital medium. His art depicts both urban and rural sceneries showing his great taste and years of experience.]

翻訳

「日本の画家であり、自身のギャラリーのオーナーでもある彼は、伝統的な風景画に焦点を当てていますが、デジタルメディアを試すことを恐れていません。彼の描く都市と農村の両方の風景には彼の素晴らしい味と長年の経験を見ることができます。」 

…なんとありがたいメッセージ…。

今回取り上げられた作品は、山形の山寺・立石寺を「Rebelle3」を用いてペンタブレットで描いた作品でした。

私にとっては「絵筆と絵の具」も「デジタルアプリ」も、ともに表現のための「画材」です。

たしかにわたしの仕事の7割近くを透明水彩絵の具が占めています。しかし、透明水彩だけにこだわっているわけではありません。不透明水彩=ガッシュやアクリルも普通に使います。
「何」を「どう」表現したいかで画材なんて自ずと変わってきます。
画材は自分の心の気持ちよい選択をすればよいだけだとわたしは考えます。

そしてわたしは画材のひとつに、デジタルツールを加えました。

立石寺の絵はスペックの低いパソコンで描いた作品でしたが、1月に高スペックマシンを導入、「Rebelle3」をインストールしました。今まさに、私の新しいデジタル水彩ペインティングのスタートラインに立ったところです。

これからも「Rebelle3」の持っている様々な可能性を武器に、新たな作品制作に表現してみたいと思います。

今回ピックアップしてくれたescape motionsに、深く感謝申し上げます。

 

 

グレープシティ:英語教材絵本「Rain on the garden」から。

画材/色鉛筆+painter

子供の本へのイラストレーション仕事が好きです。

原稿を読むと行間からシーンやカットがビジュアルとしてぐいぐい立ち上がってきます。

それは児童文学作家さんやライターさんがていねいに生み出した文章に魂がこもっているからにほかなりません。

原稿を真っ先に読ませてもらえるさし絵のイラストレーションは、だから好きです。

もうひとつ好きなことに「子供を描く」仕事があります。

こどもの本には大概「子供」が登場します。

私の描く子供はモデルはいませんが、今は巣立っていった娘と息子の幼き日々が,描く子供達のちょっとしたポーズや仕草に無意識のうちに現れてしまうようです。

これは自宅で仕事をしていた役得だと思っています。(画材でいたずらされたりと、大変なこともありましたが,今となってはいい思い出です)

子供をモチーフにしたイラストを描く時、紙の上で、どんなふうに駆けまわってくれるのか、楽しみでなりません。

 

 

 

先日、はじめてのお客様が見えました。

「フランス・イギリスの石鹸が好きなんです。ようやくお店に来れました!」

ネットでアトリエアルティオがヨーロッパの石鹸を取り扱っていることを知り、前から来たかったとのこと。「パッケージの美しさはネットで見るのとは違いますね」とも。
私どもも,その言葉がとても嬉しかったです。

「これは私が。こちらは友だちに」と  のキューガーデンシリーズなど、いくつも選んでくださいました。

アルティオでヨーロッパの石鹸を取り扱うようになった理由は、シンプルなことでした。
絵の取材でヨーロッパに時々行きますが、宿に置かれている石鹸や、町でみかける小さな石鹸屋さんの扱う品質の良さに、自宅用に買ってきたのです。

アトリエギャラリーを構え、絵のほかにもお客さんに奨めることができる「心地よくなれるなにか」を考えた時、真っ先に浮かんだのが「ヨーロッパメイドの品質のいい石鹸」だったのです。

ヨーロッパの固形石鹸の使い心地のよさとやさしさを、少しでも多くの皆さんに知ってもらいたいと思っています。

「進路西」「東方見聞録」「西遊記」。東西を冠した書物がよくあります。
昔から人はまだ見ぬ方角へひたすら進みました。

「この海の向こうに何があるんだろう?」
「そびえ立つ山の反対側にはどんな世界が広がってる?」
そんなシンプルな好奇心が人を前に進めたのでしょう。

小学生の頃、岩手青森の県境の二戸(にのへ)という町に住んでいたことがあります。
家の西側には急な斜面の山がありました。高さは数百メートルだったと思います。
いつも「山のてっぺんからはどんな風景が見えるんだろ?」と思っていました。
登ること叶わず転校でその町を去りましたが、今もその山のことを思い出します。

人間を突き動かす原動力はいろいろありますが、ひとつは好奇心であることは間違いありません。

目的地への到達は、たしかにゴールとして大切です。
けれど、西へ、東へ向かう道筋で出会う「何か」こそ大切なように感じます。
(東西が冒険心をくすぐるのに、北へ南へって、感傷的に感じるのはなぜだろう?)

15年ほど前、仕事でハワイ本島を訪れたことがあります。
思いがけない流れで行くことになった、東への旅でした。
その旅で偶然出会った岡山の住職さんと、その後、西へと旅しました。

東日本大震災の慰霊の旅での真言密教僧侶団に混ざってのインド行でした。
(私の家はすみません、曹洞なのですが、私には宗派のこだわりがありません)
不思議な流れでしたが、乗るも乗らないも自分次第、ままよ、と同行しました。

今までの自分たちを振り返ると、ヨーロッパへ、ハワイへ、インドへ、ミクロネシアへと、西へ東へ振り子のように行ったり来たりです。

絵の具に何を選ぶか?筆はどこのを使うか?
そのこと以上に、西の果てはどこなんだ?東にはどんな風景が広がっている?そんなまだ見ぬ先を体験することが、自分にとって大事な描くハウツーなのだと思う昨今です。

縁が縁を呼び、ふたたび岡山に行くことになりそうです。

「小さな西進」が何をくれるのか。

多分答えは15年後にわかるんだろうな。

トップ絵は、インドの聖地・ドンガルカルの岩山。左下に小さく仏像が見えます。その左にさらに小さく巡礼者を描いています。
エンディングの水彩画は、龍樹大菩薩の山へのぼる真言密教僧侶団です。


 

サー・アーネスト・シャクルトン。

この名前にアンテナが立った方は、間違いなく私たちとウィスキー傾けながら一晩語り明かせます。

私たちの敬愛するイギリスの探検家です。


1911年、シャクルトン卿率いる南極探検隊は、帆船「エンデュランス号」が流氷により閉じ込められ難破。隊員達全員が小さな手漕ぎボートで脱出、奇蹟の生還を果たします。

数冊の本が邦訳出版されていますが、その生還への過程は空前にして絶後。

百年以上前の南極での遭難です。その寒さ、極限状況を想像してみて下さい。シャクルトン本は、人間の強さ、そして限界とはなんだろう?という問いをくれます。

2007年。新聞で「シャクルトン隊のキャンプ跡から氷付けになったスコッチウィスキーが発見された」というベタ記事を見つけました。

「いずれ英国のウィスキーメーカーがその酒を再現する…」ともありました。

私はスコッチウィスキーに目がありません。

「そんなシャクルトンの酒ができたら飲んでみたいものだなあ」そう思っていました。

そして…先日…

ついにそのボトルを入手しました♪

 

(写真:シャクルトンウィスキー・化粧箱、そして愛読書の一冊「そして奇跡は起こった!」)

ここで、アトリエアルティオ5周年謝恩企画です。

本日のブログ掲載の水彩画はシャクルトン隊が乗船していた 帆船「エンデュアランス号」。私が2018年のアルティオ自主企画、「海画展」のために描き下ろした作品です。(トップ絵は背景を加工しています。実際は記事末尾掲載の横長サイズ)

絵画サイズは32センチ×15センチ。価格は56,000円。(額・税込み送料込み=額に入ると一回り大きいサイズになります)

おかげさまで嫁ぎ先が決まりました=1月31日正午までに「エンデュランス号」をご注文くださった方には、入手した「シャクルトン」ウィスキーをプレゼント♪いたします。絵はもちろん一枚しかありません。なので文字通りの「先着おひとり様限定」です。=おかげさまで嫁ぎ先が決まりました

いつもならここで、「心からご注文お待ちしています」、、、、と書きたいところですが、今回は非常に微妙な気持ち。
想像してみてください。「エンデュアランス号」の水彩画を壁にたてかけ、テーブルではシャクルトンウィスキーをタンブラーに注ぐ。そしてシャクルトン本を再び読む。…こんなロマンティックな夜は無いですから…。

お嫁にもらって下さることになったN様に心より感謝申し上げます。 

 

 

ここで紹介するイラストは、グレープシード発行の英会話教材絵本用に描き下ろしたイラストレーションです。
タイトルは「Last Night」。
原稿を読み、キャラクターを生み出して様々なシーン・アングルを構成して描く仕事は実に楽しいものです。
おかげさまでグレープシードの絵本のかなりの物語を絵にしました。このストーリーはひとりのちいさな女の子の「昨晩」のこと、です。

 

方法はいくつあってもいい。…とここ数年、思います。

先日、26歳のころ印刷会社でお世話になっていた上司と一献、あれやこれやと楽しい時間を過ごしました。
30年以上,面倒をみてもらっていることになります。

それほど長い付き合いをいただいていると、会話はタイムマシンのごとくあっちこっちへ瞬間移動します。
もちろんお互いそれなりの年だけれど、そんなタイムマシントークであっても昔はよかった、なんて話にはなりません。だから今も一献かさねることができるってもんです。未だ気持ちは20代。

そんな話のなかで、自分は何本の柱の上で仕事をしているんだろう?と考えていました。

指折り数えると、仕事に4〜5本の柱が見えてきました。広告イラスト、個展の水彩画、抽象画、絵本、説明のための補助的なイラストレーション、法廷画のような現場攻めの絵。

「どれがあなたなの?ひとつにしぼった方がいいよ」
と、アドバイスをくれた方も十年ほど前までは何人もいました。結局自分はひとつにしぼりませんでした。しぼっていたらもっといい絵描き人生だったんだろうか???

答えはわかりません。が、少なくとも自分は、今でもいろんな絵で役に立つのがうれしくてしょうがない。

表現はひとつにしぼらなくたっていい。あちこちホッピングしつつすすむのが、ゴーイングマイウェイ法だと思った晩でした。結局マンガ描いて風景画描いて、法廷が描いても「描く」ということにかわりないですから。

今日はグレープシードさんからの依頼で描いた英会話教材の絵本イラストをギャラリーページのイラストレーションにアップしました。
大好きなのです、こんなタッチでコドモ達を描くこと。


 

今日の読売新聞朝刊です。

絵を手がけた「絵本版・海の見える丘」が記事として大きく掲載されました。(くすのきしげのり・作/古山拓・絵/星の環会)

仙台版ですのでここに画像をご紹介します。

児童文学作家くすのきしげのりさんの絶大な人気もあり、「海の見える丘」の環が大きく広がっています。仙台圏でも手に取る人が増えることを祈っています。

読売新聞東北総局さん、ありがとうございました!

以下、ちょっと独り言です。

しかし、過去に為したことはどこかの未来へつながって行くものだとあらためて思います。
今回の取材のおりには、私が読売新聞社さんからいくつもの法廷画や選挙立候補者の似顔絵をてがけていた事実に、記者さんが驚かれていました。
(原因結果の法則系の自己啓発本がありますが、フリーランスでやっていると、しごく当たり前のことのように思えます)
今日為した仕事は、成果品の向こう、みしらぬ十年後に波及して行く。

だから、どんな仕事であっても仕事は、いただくギャラ以上に丁寧に。描く仕事で生きていくには、それしかないんだろうなあ。

 

 

3.11を語りつぐ会が主催するメモリアル企画展は、本年も藤崎百貨店(仙台市)を会場に6年目の開催を重ねることとなりました。
本年は、「森羅万象のつらなり」と題して、下記の展示とメッセージコンサートを通して、未来へつなげるメッセージを発信してまいります。


展示とメッセージコンサートで綴る 3.11メモリアル企画
『森羅万象のつらなり 〜海から銀河まで〜』
■3月7日(土)〜11日(水)10:00〜19:30 最終日は17時閉場
■藤崎本館8階 グリーンルーム
<入場無料>

主催:3.11を語りつぐ会
協力:仙台市天文台、NPO法人森は海の恋人、古山拓絵画工房ランズエンド、一般社団法人アート・インクルージョン

<展示>
NPO法人「森は海の恋人」活動紹介展示
古山拓水彩画展「海辺の風景~記憶の先へ~」&絵本原画展
<上映>
プラネタリウム版ドキュメンタリー「星よりも、遠くへ」(仙台市天文台制作)上映
<メッセージコンサート>
トーク&朗読:渡辺祥子、ギター:佐藤正隆
■3月7日(土) ①午前11時〜 ②午後2時〜 ゲスト:畠山重篤(NPO法人「森は海の恋人」理事長、京都大学フィールド科学教育研究センター社会連携教授)
■3月8日(日) ①午前11時~ ②午後2時〜 ゲスト:古山拓(画家・イラストレーター)

  「引っ張られる方向へ進め。道は自ずと拓ける。」

若いころ、バックパッカーで旅をしていた時、迷い旅が教えてくれたことのひとつです。

倉敷「つづきの絵本屋」さんで「絵本版・海の見える丘」(くすのきしげのり・作/古山拓・絵/星の環会)原画展が開催されています。
先週後半から四泊五日、倉敷神戸へ旅してきましたが、今回の旅は、まさにそのことを再確認させてくれた旅でした。

つづきの絵本屋さんに集まってくれた絵本好きの方々は、岡山倉敷のみならず、大阪、兵庫、鳥取、広島、四国、とおくは東京からも。そんな西日本の方々と深い繋がりを持てたことに深く感謝しています。

神戸では昨年の神戸個展で友だちになった方々から、たくさんのアイデアをもらうとともに、普通なら出合えない神戸人脈を紹介くださいました。ありがとうございました。

思い返せばアルティオの店主の妻と私は、西洋古代史のゼミで一緒でした。学んでいたのは古代ギリシャ・ローマ。すなわち「古代地中海世界」です。そんな私たちが新婚旅行で訪れたのは瀬戸内の倉敷・尾道でした。

対岸(異文化)との行き来が可能な「囲まれた海原」は、「文化を醸成する海」でもあると思っています。

私は瀬戸内の海に地中海世界と同じ匂いを感じます。古代ギリシャローマ、エジプト、カルタゴといった対岸との行き来が可能な「海の文化圏」が暮らす人々に与える恵みは、二千年以上たっても変わらないのかもしれません。

今回の縁は「瀬戸内文化圏」という私たちにとっての「新世界」に漕ぎ出せ、と言っている気がしてなりません。

トップの水彩画は、一昨年の取材旅で訪れた、福山・鞆の浦風景です。
「絵本版・海の見える丘」原画展は、『つづきの絵本屋』さんで1月21日まで開催しています。ぜひ足をお運びください。