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午後20時のモンマルトル
■ 2020年4月4日更新 ■
2020/4/23〜4/29 岩手・川徳デパートギャラリーカワトクで個展を開催します。
古山拓水彩画展 「いつか君と見た風」
ヨーロッパから岩手まで。水彩で描く旅風景の新作を中心に展示します。
会期/2020/4/23〜4/29百貨店開館時間に準じます(最終日午後4時閉場予定)
会場/岩手県盛岡市菜園1-10-1 川徳5階 ギャラリーカワトク
作家古山は全日程、盛岡会場入りの予定ですが、変更の場合があります。
2020/4/23〜4/29 岩手・川徳デパートギャラリーカワトクで個展を開催予定だった個展は。百貨店コロナ対策のため中止となりました。展示予定作品をウェブ個展サイトとしてアップしました。STAYHOMEで気分転換にどうぞ。
古山拓水彩画展 「いつか君と見た風」
ヨーロッパから岩手まで。水彩で描く旅風景の新作を中心に展示します-コロナ禍で中止-
ザグレブを想う
「青い時に紫色の風を見た」コッツウォルズ・バイブリー風景 水彩
こんにちは、タクです。この週末は宮城県が外出自粛要請を出しましたので、アトリエアルティオも臨時休業(4/4〜4/6)としています。医療関係のみなさまへの援護の意味も込めての臨時休業です。なにとぞご理解くださいませ。
数回前のブログでとりあげた、イラストで関わった絵本「あなたの一日が世界を変える」(日英対訳=PHP研究所)についての最新情報です。
本書が、AmazonのKindle版で無料公開されることになりました。
児童文学作家・くすのきしげのりさんと組ませていただいた絵本ですが、閉塞的になっている世界に対して、できることは何か?と、くすのきさんと版元のPHP研究所が話し合い実現した無料公開です。
Kindle版のみの期間限定ですが、ぜひ世界を良き方向へ変えるために、お読みいただけるとうれしいです。
イベントの中止や店舗の臨時休業とあらゆることが止まっていますね。
自営業イラストレーターである私も、いわゆる出版・広告関係の仕事はほとんど動きがありません。仕事が動かない=売上が立たないわけですから、精神状態が落ち込んでも当然です。
しかし落ち込んでいるか?といいますと、そうでもありません。理由は美を見直す作業を仕事にしていることにあるように思えます。
私の場合、イラストの他に個展の絵の制作というもう一本の柱があります。個展のための作品制作はオーダーがあって描くわけではなく、いわゆる自分自身がオーダー主。売れるか売れないかは個展が始まってみないとわかりません。
ですが、描き始めると不思議なもので「いい気」が上がってくるのがわかります。
私が描く対象は旅先で出会った、「他の人が見たらなんてことのない風景」がほとんどですが、「なんてことのない風景」の中から美をすくいとる作業が制作です。わたしにとってはその風景は絶品として入ってきたわけですから、自ずとテンションもあがっていくのです。その感覚を文章で伝えるなら、「向き合った風景や大地、木々にじぶんの体が溶け込んで行く感覚」といったらいいでしょうか。
風景は、100人居れば100通りの見方があります。
99人が見過ごした風景であっても、スケッチしたということは美を「見つけた!」ということ。自分にしか見えていない美しさを創造する楽しさは、いい気があがってきて当然なわけです。
「100人居れば100通りの見方」と書きましたが、絵に限らず全ての表現に当てはまることではないでしょうか?
音楽、詩、書道、俳句、物語。表現芸術は99人が見過ごしたものを書き出すことで世に出て行くのだと思います。
このたび、東北に、「みちのく童話賞」が産声をあげました。
私がイラストでかかわった児童書「しゅるしゅるぱん」(福音館書店)の著者おおぎやなぎちかさんが実行委員会の代表をつとめている縁で、私どものアトリエアルティオも協賛しています。
童話という表現で「99人が見過ごした」あなただけの物語=「童話」を書いてみてはいかがでしょうか?
以下にホームページを記載しておきますので、どうぞご覧ください。
ドイツの首相が新型コロナで生命を断たれようとしている芸術家・アーティストを資金的に援助するという感動的な救済策を発表しました。その中で、「芸術は生命維持装置である」という発言をしていました。
ぜひ、みなさんに童話という生命維持装置を紡ぎ出してほしいと思います。
今日も水彩画を水彩ギャラリーにアップしました。
外出を控えている皆様、気持ちを休める一助になれば幸いです。
「イラストのお仕事、発注してみようかな、、、」という業界の方は、こちら→イラストギャラリーをどうぞ(と書いてイラスト仕事が来たことは無いんだけどね^_^)
絵本からのメッセージ 画家・タク
いままで私はイラストレーターとして、絵本の仕事を数冊、絵を手がけてきました。わずかではありますが。
絵本、、、といっても、私が手がけた仕事は、どちらかというと高学年から大人向けです。
それらは全て、なぜか絵本という体裁の中に普遍的なメッセージが託されている本ばかりです。
ですが、いままで「この仕事をさせてください!」と売り込んで結果手がけた仕事は、ひとつもありません。
「しゅるしゅるぱん」(おおぎやなぎちか・作)「あなたの一日が世界を変える」「交響曲『第九』歓びよ未来へ!」「海の見える丘」(3冊ともくすのきしげのり・作)…すべて、説明のつかない「流れ」で作者とお会いし、絵を担当した絵本ばかりなのです。
今、コロナウィルスが世界中の国々と人々の心を混乱の渕に陥れています。「そんないまだからこそ、これを読んでほしい」と切に思う絵本があります。
それは「あなたの一日が世界を変える」です。(図書館で借りれると思います。営業ではありません。)
実は、さし絵を描いていたときと「今」では、物語の行間から受け取るメッセージがちょっと違うのです。今こそ広く読まれるべき時だ、と、再読しながら思ったのです。
心の声は、たとえ出さなくとも共鳴する方の元へ伝播する、とわたしは信じています。
(そうでなければ、仙台という地方在住の、名も無い売り込み下手なイラストレーターが、上述のような絵本の仕事を任されるなんてありえないのです。)
今、悲しいかな世界が負の連鎖に陥りつつあるように感じます。
そんな今だからこそ、私はこの「あなたの一日が世界を変える」を読んでほしいと思っています。
たった一人が心の有り様を良き方向にチェンジすることは、世界の負の気をプラスに変えていく….小さいけれども大きなチェンジを生むと思います。
私は決して善人ではありません。立派な事を言えるような生き方はできていません。日々右往左往している恐がり絵描きです。
それでも、今まで描いてきた絵本を振り返ると、「大切なメッセージをわかりやすくするために、描く仕事を『誰か』から渡された」という感覚がぬぐえません。
今日、言いたいことはこうです。
「絵本を読んだ人間一人一人が、明日の世界への勇気あるメッセンジャーなんだ」
絵や絵本は、あくまでその礎にすぎません。
PHP研究所から刊行された「あなたの一日が世界を変える」は、奇しくも世界で翻訳版が出版されています。図書館でも借りることができると思います。
明日の世界のために、どうか、お読みいただけると嬉しいです。またお持ちの方は、ぜひ再読をおすすめします。気がつかなかった新しいメッセージを受け取るかもしれません。
絵本を読んだ皆さんの心に良き波紋が生まれ、その波紋が世界中の他の人の同じ心と共鳴し、世界を変える良き波紋になるよう祈ります。
明日の世界がすこしでも良くなりますように。
ありがとうございました。
今日、水彩ギャラリーに一枚の水彩画をアップしました。
気分転換によかったらごらんください。
岩手山早春_透明水彩
故郷岩手を離れ、あと数年で40年。時が立つほどふるさとの山に向き合ったときの感慨が深くなってきています。
早春の岩手山が好きです。
【アルティオと石鹸】 店主 クミコのブログ
私達が、初めて訪れた外国はイギリスだった。
どうしてイギリスだったか?それはまた別の話として。。
今だに強烈に残っている記憶がある。
それは香りの記憶。
現在、イングランドの国際空港と言えばヒースロー空港だが、30年前当時、私達は大韓航空で、ヒースローよりも南に位置するガトウィック空港に降り立った。
そして空港内に入るやいなや、
「あっ♪いい香りがする~!」
と、二人で顔を見合わせたのだった。
空港で、たまたまいい香りがしたと思っていたのだが、それは、旅で移動する度に泊まるB&B(bed & breakfast日本の民宿のようなところ)でもそうだった。
どこの宿に泊まってもいい香りがするのだ。
今思えば、そのおかげで私達は旅の疲れから解放され、毎日癒されていたように思う。
そして、旅も終わりに近づいてきた頃、私は何気なく石鹸を数個購入した。
その時は、石鹸の匂いよりも美しいパッケージに惹かれて手に取ったのだったが、旅から戻り、家で荷物を解くと、はたして、あの、イギリスで嗅いだいい香りが、パーッと家中に広がった。
石鹸だ!まさしくあの香り!!
あの日以来、私達は、無意識の内にこの香りを求めてきたような気がする。
***
アルティオをオープンした後、絵(アルティオは古山拓の絵のギャラリーショップ)の他に何か+αを考えた時、迷わず石鹸と決めたのも、こんな経緯があるからなのです。
*今日の石鹸*
⭐︎イングリッシュソープカンパニー/キューガーデンシリーズソープ(@1,400円+税)
1759年に宮殿の庭園として始まったイギリスの王立植物園であるキューガーデンの植物学者たちが手描きした絵を使った、なんとも贅沢なパッケージに包まれた石鹸たちです。
いい香りとたっぷりな泡立ちに心も体も癒されることでしょう。
庭園の保存と研究のために売り上げの10%が寄付されています。
東北通信情報懇談会の情報誌「メルカート」の絵とエッセイを担当していますが、最新号100号が完成しました。エッセイでは飯豊の風景イラストに女流探検家イザベラバードのことをからめています。
以下が連載のエッセイです。ご笑覧ください。
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山形・飯豊 アルカディアの春
旅には人それぞれのスタイルがあっていい。三食ガイド付きパックツアーも、リュックひとつでのふらり旅も大切なのは、どれだけ旅から余韻を持ち帰れるか、だ。
若い頃は「ツアーは邪道!」なんて息巻いていたけれど、最近はどちらが良くてどちらが悪い、なんてナンセンスだと思うようになってきた。大切なのは旅スタイルに目的が合うかどうかだろう。私の場合は「かなりコアなテーマ」を決めて旅に出ることが多い。自ずと単独行となる。
明治期、イギリス人女流探検家イザベラバードの足跡を山形の置賜地方に辿ったことがある。彼女の「日本奥地紀行」には地名が丁寧に書かれているので、ルートをなぞるのは比較的容易にできる。
地名をチェックし、出発した。クルマ一台がやっとの山道に「クマ出没注意」の看板が立っていたりすると、「嗚呼、興味が同じ仲間が居るといいなあ……」なんて思うわけで、人間は実に勝手なものだ。
山道を抜け、開けた飯豊にはいると、風景のなんと清々しいことか。「ここは日本のアルカディアだ」と米沢平野(置賜盆地)を記した彼女の気持ちが痛いほど迫ってきた。今でも置賜に旅すると、その安堵感がリアルに蘇る。イザベラバードを辿った旅の余韻は、いまだに自分の中に息づいている。
(絵と文・古山拓)
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オリジナルの水彩イラストはこちらです↓