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x4160677 - Part 50

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「幸せ」は自分が決める!

そんな力強い言葉がターコイズグリーンの帯に記された。絵本「海の見える丘」初版が、手元に届きました。版元は「星の環会」です。

この絵本は著者、くすのきしげのり先生との三冊目のタッグとなります。
「古山さん、この絵本、描けん?」
原稿を見せられ、そうお声掛けいただいたのは、昨年のことでした。

このストーリー、シークエンスをはたしてイラストで表現できるのだろうか??、、、正直そう思ったのですが、口をついで出た言葉は「描いてみたいです」でした。

過去2冊のくすのき先生との共作は「あなたの一日が世界を変える」「交響曲『第九』歓びよ未来へ!」(ともにPHP研究所・刊)です。
ともにわたしの主戦力の透明水彩イラストで表現してきました。

が、今回は担当編集者・和田さんのすすめで、もうひとつの私の表現手法を画材に選びました。
「鉛筆ドローイング+デジタル着彩」です。

内容のもつ「自分が決めたことに責任を持つ幸せ」を、描線の力強さとデジタル着彩に込めたかったのです。
鉛筆と紙がこすれることで生み出される描線ほど、画家やイラストレーターの素顔をあらわにするものはありません。
ストーリーを絵に置き換えるのが難しい仕事だからこそ、自分のすっぴん表現を出したい、そう思いました。

明日から順次、書店にならぶ予定です。
生きるとは?生きる役割とは??
ぜひ、お手に取っていただければうれしいです。
絵本「海の見える丘」|イラストレーター古山拓|くすのきしげのり|星の環会

絵本海の見える丘より中ページ_イラストレーター古山拓 絵本「海の見える丘」_イラストレーション_古山拓

10月10日のブログにも書きましたが、広島にはじめて旅したのは昨年のことです。もちろん原爆ドームを自身の目で見るためでした。

現地での鉛筆クロッキーをもとに描き上げた原爆ドームの水彩画は、イタリア・ファブリアーノ水彩展に出品するためのものでした。

絵が戻り、その後、鳴瀬中央医院の齋藤先生に必然的としか思えないご縁をいただき、絵は医院に納められました。

そして、二十年ほど前からお世話になっているフランス文学の小林文生教授からメールをもらったのは先日のこと。以下、許可をいただきましたので、メールを転載します。

1010日付けの原爆ドームの絵と文章に引きつけられました。

ひょっとしたら、この絵を以前にも見たことがあるかどうか、記憶は定かではありませんが、見たような気がします。あるいは、初めて見たけれども、まるで自分の心の中を見るような既視感を与える画面なのかもしれません。とてもいい絵ですね。

「茨の冠をかぶっているイエス・キリスト」という言葉、そして「茨の塔」というタイトルにも、とても惹かれました。

誰もが沈黙するしかない重苦しい場所(手前の群衆)なのに、「赦し」ないしは「希望」とともに「昇天」していくイメージ(黄色の明るい空)、心に響きます。

それで連想したのですが、前にお話ししたように、私は7月末に広島に行き、初めて見る原爆ドーム、リニューアルされた広島平和資料記念館などに、心を揺さぶられました。

その後、広島を題材に十数首の歌を作りましたが、次の二首は原爆ドームをおりこんだものです。

 アメリカの傘は要らない、日傘さし歩む岸辺の原爆ドーム

 一瞬の音なき世界に遺されし原爆ドームに蝉しぐれ降る

それから、原爆ドームの語は入っていませんが、次の歌が915日の河北歌壇に掲載されました。

 閃光に包まれし朝の石段に影のみを遺す人の名知れず

古山さんの絵に触発されて、お伝えしたくなった次第です。」

何のために絵を描くのか?

医師とフランス文学の研究者のハブとなった一枚の絵。作品はどんな表現であっても、波紋を広げていくということを、無言で教えてくれました。

だから、現場に立ち、大地から感じたちからを鉛筆の描線に込める。すべては現場の空気から始まるんだ、きっと。

私が使っている絵の具は、主にセヌリエの透明水彩絵の具です。では他の画材は使わないかというと、そんなことはありません。ウィンザーニュートン、ホラダムなどのメーカーの絵の具ももちろん使います。
実はアナログの絵の具の他に、私の主戦力になってくれている画材が、デジタルペイントアプリです。(ちなみに使っているデスクトップマシン=i-macは10.7.5と旧式。)

主に使っているのはCorelのPainter。Escape motionのRebelle3も自分の感覚と相性がいいです(しかし、現状、マシンの性能が及びませんので、macbookairのみで使用)。

なんにせよペイントソフトは描画力がパソコンの性能に左右されます。ハイスペックが必要だということを実感します。

わたしのパソコンは決してハイスペックとは言えないものです。350dpi作画をする場合、水彩の滲み再現など、もう、泣きが入るほど。ですが、工夫次第で何とかなるものです。

わたしは思い切り滲ませたい部分、軽く塗れる部分を分けて作画します。それぞれ解像度を変えたデータを準備して制作、あとで統合、調整するという裏技荒技(粗ワザ?)で使い倒してきました。(もっといい方法があるんでしょうけど、、、)

さすがにここ一年ほど、旧式の弊害が作業のあちこちに出てきたので、ようやく最新のi-macを導入、梱包が届きました。過去の反省をふまえ、今回の導入機種はハイスペックにしました。
今後のペイントソフトの使い勝手が楽しみです。

ちなみに、アナログの水彩作品にも実はペイントソフトを使う場合があります。といっても透明水彩の絵にデジタルを合成して作品を仕上げるわけではありません。

「最後の仕上げ、〇〇色の絵の具を、決め色で入れるべきか否か?」

一回塗ったらあとに引けないのが、アナログ透明水彩の制作です。どうしても迷った時、デジカメで取った制作途中のデータにをpainterRebelle3で読み込んでテスト塗りをするのです。

アナログの色構成で「悩んでいる時間をなくす」ことができるのも、デジタルの水彩アプリの良いところだと思っています。

Adobeからペイントソフト「Fresco」が発表されました。こちらも興味津々です。ただ、現在は使用環境がi-padに限られているようで、私はi-pad miniしか持っていないので、要検討というところです。

これからもアナログでの透明水彩絵の具もデジタル水彩アプリも、仕事に応じて使い分けていきたいと思っています。
(ペンタブを従来型のを流用するか、新型液晶にしようかどうか、ただいま鋭意迷い中)

以下、水彩アプリで制作した三点をアップします。(線画は紙に実際に鉛筆で描いたものをスキャンしています)

以下にアップしたイラストは、上から順に
「山寺」Escape motion/Rebelle3
「柳は萌ゆる・連載イラスト〜岩手日報社新聞連載」Corel/painter-主に水彩+ガッシュ機能
「教材絵本より」Corel/painter-デジタル水彩機能

家具作家・桑原信之氏と古山の新潟新発田での二人展DMが、会場のギャラリー栞から郵便で届きました。

タイトルは、桑原信之+古山拓二人展「それでも僕らはこの地に暮らす」vol2

桑原氏とは、過去二回、仙台で二人展を開催しています。今回は3回目。

ギャラリー栞は、桑原氏が毎年レギュラー個展を開いている新潟県新発田市の工芸系のギャラリーです。
氏のはからいで、このたび初めて新潟新発田で作品を展示します。

桑原氏の一点一点手で創り出された家具はあたかも呼吸しているような生命力を感じます。桑原氏の制作過程で削り出された木材素材をわたしがバトンリレーで受け取り、小さな立体抽象作品に表現しています。
「Home&Groundシリーズ」と名付けていますが、その抽象表現の根にあるものは、私の絵の柱である「旅風景」で得てきた「風景エッセンス」です。

もちろん「旅の透明水彩画」も展示、カレンダーやポストカード、オリジナルTシャツまで、さまざまなアートグッズも楽しんでいただけます。

今日も明日も二人展へ向けての制作に集中。
二週間後、新潟方面のみなさまとお会いできるのが今からとても楽しみです。

(古山の会期中在廊は11/2(初日)11/3(日)と11/9(土)11/10(最終日日曜)となります。)

ギャラリー栞

新潟県新発田市真中1916 ☎0254-41-4832

会期11/2〜11/10 Open 10:00am〜5:00pm(最終日は4:00pm終了)



 

■ 2019/10/17 投稿 ■

**2020年古山拓水彩オリジナルカレンダーの通信販売のご案内**

毎年好評いただいております、卓上CDケースタイプオリジナルカレンダーを今年も通信販売いたします。

12枚のヨーロッパ風景新作水彩画によるカレンダーです。イングランド・スコットランド・イタリア・フランス・ポルトガル・フィンランド・アイルランドの水彩画をラインナップしました。旅心を封じ込めた12ヶ月を楽しんでもらえれば嬉しいです。

ご希望の方は

オーダーを心よりおまちしています。

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仕様サイズ/カラー15枚(表紙含む)13.5センチ四方×卓上面奥行き8.5センチ

価格/@1210円(税込)

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郵送料は別途ご負担いただいています。

■送料・2部=180円 :3部・4部=370円 5部・6部=520円。それ以上まとめてご注文の方は宅急便にての発送となりますので、お問い合わせください。

■お支払い方法/カレンダーに「銀行口座案内」を同封します。商品到着後一週間以内にお振り込みください。

※受注後到着まで一週間ほどかかる場合がありますことをご了承ください。

 

 

 

今日のブログは、2020年古山拓水彩オリジナルカレンダーの通信販売開始のご案内です。

毎年好評いただいております、卓上CDケースタイプオリジナルカレンダーを今年も通信販売いたします。

12枚のヨーロッパ風景新作水彩画によるカレンダーです。イングランド・スコットランド・イタリア・フランス・ポルトガル・フィンランド・アイルランドの水彩画をラインナップしました。旅心を封じ込めた12ヶ月を楽しんでもらえれば嬉しいです。

ご希望の方は

オーダーを心よりおまちしています。

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仕様サイズ/カラー15枚(表紙含む)13.5センチ四方×卓上面奥行き8.5センチ

価格/@1210円(税込)

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郵送料は別途ご負担いただいています。

■送料・2部=180円 :3部・4部=370円 5部・6部=520円。それ以上まとめてご注文の方は宅急便にての発送となりますので、お問い合わせください。

■お支払い方法/カレンダーに「郵便振替用紙」と「銀行口座案内」を同封します。商品到着後一週間以内にお振り込みください。

※受注後到着まで一週間ほどかかりますことをご了承ください。  

 

日に日に寒さが増して、先週まで半袖を着ていたとは思えないくらいですね。

しばらく欠品しておりました、人気のポルトガルのミニハンドクリームと、秋冬限定パッケージのフランスのハンドクリームが、アルティオ雑貨コーナーに入荷いたしました。

冬対策はお早めに🍁

皆さまどうぞ暖かくしてお過ごしください。

 

2019年10月12日、東日本を襲った大型台風は、河川の氾濫をともなって、あちこちに目をおおうほどの被害をもたらしました。被害に合われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

ナイル、チグリスユーフラテス、黄河文明に見るように、太古から人間は川と戦い、川に学び、かつ共存してきました。
どんなに文明が発達してもその繰り返しはいまだに続いていることを、この台風であらためて心に刻みました。
自然から「何を君たちは学ぶのか?」と、突きつけられた気がしています。

仙台市を流れる広瀬川を源流から河口まで水彩で描いたのは2009年のことでした。
同年、水彩スケッチを「旅絵」と題した小さな画集にまとめ、2013年には二刷りを印刷しました。
アトリエアルティオ店舗で取り扱っていますが、残部数も10冊と、残り少なくなってきました。

重版の予定はありませんので、広瀬川と仙台の記録として全ページをウェブにアップします。

10年前(東日本大震災前)の仙台・広瀬川風景です。
広瀬川は、「周囲の景観や歴史を映し出す鏡」でした。

+  +  +

旅絵『広瀬川小さな旅』

 

源流付近〜作並

 

熊ヶ根の清流

 

愛子・芋沢にて

 

折立・栗生付近

 

八幡・牛越付近

 

角五郎にて

大手町からの広瀬川

 

花壇付近・天龍閣・建築中のウェスティンホテル仙台とトラストタワー

#広瀬川,#水彩,#スケッチ,#古山拓,#旅絵,#イラストレーター,#水彩画

霊屋橋付近

 

荒町・愛宕大橋周辺

 

広瀬橋〜千代大橋

 

広瀬川河口・閖上(震災前風景)

取材ポイント一覧・奥付

先の台風による被害は広範囲に及びました。
被害に遭われた方の心中は、いかばかりか。心が痛みます。
一刻も早い復旧と、補償や手当が遅滞無く届くよう、心よりお見舞い申し上げます。

***
水彩画とエッセイを依頼された仕事の刷り上がりが届きました。
「メルカート」最新号です。
今回は岩手の北上山地の開拓入植地のお話です。

宮沢賢治は岩手を「イーハトーヴォ」と表現しましたが、北上山地に分け入ると、その気持ちがわかります。

私の幼少時代の原風景のひとつでもあります。

テキストを最後にアップしました。よかったらご一読ください。

++++

岩手・薮川高原  

Prologue-物語のはじまり

 盛岡から東に向かう国道455号。道は龍泉洞で有名な岩泉を通り小本へと出る。その昔牛に塩を括り付け運んだ塩の道だ。
 盛岡からくねった道を走り高度をかせぐ。すると薮川・外山という地名が現れる。薮川高原だ。高原の冬は氷点下20度を記録する本州最厳寒の地でもある。龍泉洞は日本三大鍾乳洞として有名だけれど、何も知らずに通る旅人には平凡な田舎道に過ぎないだろう。
 一帯は、入植開拓地だった。サイロや六角形屋根の納屋がいくつも点在するのはその証左だ。描くために初めて訪れたのは、15年前の2004年。初の岩手個展の取材だった。

 気がつかなければ通過するだけの高地開拓村。しかし、一本の脇道に分け入ると丘が連なり開拓という厳しい暮らしに醸成された逞しい美が在る。その美しさに惹かれ、再訪を繰り返し何枚も描いてきた。
 なぜにこれまで薮川外山が私の心をざわめかせるのか?

 実はわたしは1964〜65年、2〜3歳の幼年期をその地で過ごしている。一番古い記憶がおぼろげな外山の記憶だ。だからだろうか、現地に立つと「寂しさ」と、ここに暮らしていたんだ、という「誇り」のような気持ちがないまぜになった感情に包まれる。
 今回の絵のタイトルは「Prologue-物語のはじまり」。
 誰もが人生という物語を生きている。薮川高原は、開拓精神と自分の物語が出合った十字路なのである。

絵と文:古山拓

 

 

 

いつもギャラリー店舗・アトリエアルティオにいらして下さりありがとうございます。
本日10月12日土曜日は台風19号の影響により、店舗は臨時休業とさせていただきます。
なにとぞご了承ください。くれぐれも皆様に被害が及びませんように。

店舗は休業していますが、外は雨。自宅二階のアトリエ制作室でオーダーいただいた水彩画の仕事をしています。

仙台市内にある自宅では、外の鉢や自転車を全て屋内に入れました。
外回りの気がかりな部分はロープで補強しました。

自宅は中古で購入した、古い二階建てです。
古いのですが、ラッキーにも建てられた方が雨戸を設けてくれていました。
東北は西日本に較べて比較的台風被害が少ないせいか、(窓自体小さくなっていることもあるのでしょう)最近の住宅は雨戸が無い式が多いように思います。

ここ数年、雨戸を閉めることが多くなってきました。
閉めるたびに気候が変化していることを感じています。

重ねて、被害が無いことを祈っています。