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x4160677 - Part 51

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茨の塔_HIROSHIMA

水彩画家・イラストレーター古山拓による原爆ドーム。イタリアファブリアーノ水彩展覧会へ出品

「この塔は茨の冠をかぶっているイエスキリストのようだ…」
それがはじめて原爆ドームを見たときに胸にわきあがってきた言葉でした。その時、スケッチブックを広げているわたしの回りには外国人観光客が静かに立ち、皆、無言で塔を見上げていました。言葉にならない哀しみや切なさ。一瞬で奪われた幾多の命の叫びのようなものが、私や彼らの胸を通り過ぎて行くのが「見え」ました。

今年もイタリアファブリアーノで開催された国際水彩展覧会に日本チームの一人として参加しました。そのイタリア出品のために描いたのが、その時の取材から生み出した原爆ドームを描いた「茨の塔」です。

過去三回出品していますが、過去二回は日本の東北風景水彩画を送っていました。津軽の漁村や遠野の雪景色です。三回目となる2019年参加にあたって、取材し胸をどつかれた、「原爆の証人」を描くしかない、と思ったのでした。

せんだってこの絵は、心ある方が「飾る意義がある絵」と所蔵してくださいました。それも来客が目にする施設の応接室に架けます、と。

アウシュビッツ、ベルリンの壁とそんな戦跡や歴史の証人を、現場で見てきました。そんな自分にとって、原爆ドームを見た以上、とにかく難産であっても生み出さなければならなかった絵が「茨の塔」だったと思っています。

絵はアトリエの隅で箱の中にしまわれていたのでは悲しい。誰かの目に触れてこそ生きるものだと思っています。
ありがとうございます。



11/2〜10 新発田市ギャラリー栞で家具作家桑原信之氏と古山拓の二人展開催。

家具作家桑原氏とは、過去二回、仙台で二人展を開催しています。このたび、桑原氏が毎年個展を開いている新潟県新発田市のギャラリー栞にて3回目の二人展を開催する運びとなりました。
古山在廊は11/2(初日)11/3(日)と11/9(土)11/10(最終日日曜)となります。
小さな立体抽象作品:Home&Groundシリーズ(桑原氏とのコラボ作品です)をメインに、抽象表現のもととなっている,旅の水彩風景画も展示します。
新潟方面のみなさま、ぜひ足をお運びください。

ギャラリー栞

新潟県新発田市真中1916 ☎0254-41-4832

 

今日、アルティオにいらしたお客様は、ニューヨーク在住歴が30年を越えるTさん。
日本に帰ってくる都度、アルティオにお立ち寄りくださいます。
Tさん、ドアをあけるなり、「ハッピーバースデー!」

じつは今日は私=タクの57回目の誕生日でした。
Tさんは一年ぶりの帰国にあわせ、オーダーいただいていたちび絵を受け取りに立ち寄ってくれたのです。
モチーフはニューヨークのアパートで飼われている柴犬の「MOMO」。
受け取るなり「涙が出そう」と喜んでくれて、一緒にランチ。それは嬉しい秋の日でした。


夕ご飯は久美子店長が仙台の名店フレンチレストラン三浦を予約してくれて、夕ご飯を美味しくいただいてきました。
偶然にも先日の個展会場に、シェフがいらして下さったのが縁です。

23歳でアニメーターとしてスタートした「描く旅」は34年目を迎えます。
イラストレーターになったのは27歳のときですからイラストレーターとしてはちょうど30年。

当時、本当に食うや食わず。日銭で食いつなぐのが精一杯。
まさかニューヨークからきた友だちとランチをし、レストランのシェフと楽しく話している30年後は想像もできなかった。
すこしは人並みの暮らしに近づけたようです。



今、20代から「やりたかったこと」や、当時は想像だにしていなかった「実現させたいこと」が山ほどあります。

実現にはあと30年は必要かも(笑)。

イメージに体力とちょっぴりの意地をくくりつけて、ひとつひとつ大切に実行に移して行きたい。
そう誓った10月9日でした。


 

夕暮れ時のささやき_ベネツィア
水彩画家古山拓が描くベネツィア

レギュラーでいただいているJR東日本パンフ「駅長オススメの小さな旅」の秋号が、仙台駅で配布されています。
うれしいことに私が刷り上がりを見る前に、アルティオにいらしたお客様から「これ、駅のラックに置かれていました。他のパンフより目立ってて、お!と、手にしたら古山さんのイラストじゃないですか!」とパンフレットを見せられました。

モチーフは福島県喜多方の長床。水彩とアクリルによるイラストレーション。大イチョウを思いっきり秋色イエローで描きました。

使用した絵の具は、セヌリエの水彩+リキテックスです。


旧帝国海軍軽巡洋艦「神通」。好きで描いていた絵です。
イラストレーターという仕事の領分はどこまでも自由です。好きなものは好き。描きたいモチーフは,何でも描きます。十数本の水彩絵の具と筆があればOKです。ブレーキはありません。

しかし、たぶん水彩画の個展で出品しても、風景画が好きなお客さんには見向きもされないだろうな、、、
そう思っていました。

ところが、振り向いてくれた方が居ました。私が描いた同じく旧帝国海軍戦艦大和の絵を目にしたひとりのお客さんAさんです。「大和もいいけど、軽巡洋艦の儚さが好きなんです。」とAさん。
「わかります。垂直に立ち並ぶ三本煙突がなんともはかないんですよね。四本煙突ですが、神通なら描いていますよ」とわたし。
「神通!!私も好きなフネです!それはぜひ見たい!」

先日、そんなうれしい流れで、神通の絵は嫁いで行きました。

「武装の貧弱な軽巡洋艦の乗組員は、何を思って戦ったんでしょうね…。探照灯だけは戦艦クラスだったなんて、おとりですよ、ほとんど。切なくなりますよ。軽巡や駆逐艦クラスのフネを見ていると、いろいろなことを思ってしまうんです。この絵は大事にしますね。」

一隻の巡洋艦の絵が、歴史の向こうに消えて行った幾多の命に祈りを捧げる一枚になるなんて、本当に描いて良かったと思っています。
ありがとうございました。

神通_イラスト_水彩_古山拓

■ 2019/10/5 投稿 ■

水彩のイラストをてがけた絵本「あなたの一日が世界を変える」の中国語翻訳版が出版されました。
日英対訳で世界七カ国で発売されたこの絵本ですが、アジア圏でも翻訳出版されたことがとてもうれしいです。

 

 

+++

タクは個展が終わったと同時に急性腸炎にかかり発熱ダウン中です。

今日は遠く北海道からアルティオにお客様がいらっしやいましたが、残念ながらタクは会うことができませんでした。
夏の終わりにアルティオにいらした札幌在住の絵本セラピスト森さんの嬉しいご紹介でした。
ごめんなさい!そして、にもかかわらず、いろいろお買い物をありがとうございました。
またきてくださいね。 

タクが水彩のイラストをてがけた絵本「あなたの一日が世界を変える」の中国語翻訳版が出版されました。
見本が今日届きました。
日英対訳で世界七カ国で発売されたこの絵本ですが、アジア圏でも翻訳出版されたことがとてもうれしいです。

 

 

おかげさまで、藤崎個展「旅の水彩物語」が無事終了しました。
ご来場くださった皆様と、SNS,ブログを読んでくださっていた皆様にあらためてお礼申し上げます。 ありがとうございました。

常に自分らしい表現をしたいと思っています。その「自分」はどんどん変わって行きますので、水彩画のトーンも少しずつ変わっているように思えます。自分では良しと思って制作していますが、はたしてご覧になる皆さんにはどう届くのかは、個展が始まってみないとわかりません。なので、いつもハラハラです。
今回の個展を糧に、さらに「物語」や「メッセージ」が見える絵を描けるよう、精進していきたいと思っています。

今日は一週間ぶりにアルティオのドアをあけ、荷物の整理と、ギャラリー壁面の展示替えとなりました。同時に母校盛岡商業高等学校文化祭への賛助出品の作品梱包と、またしても段ボールと格闘していました。

新たな出版系の仕事も動き始めています。ちょっとだけひと休みして、また制作の現場に戻りたいと思います。

絵は出品作から墨ドローイングと水彩による「ユニコーン駆ける_シエナ・パリオの物語」です。