• facebook
  • instagram
  • twitter
  • note
  • tumblr

x4160677

イラストレーター、画家といえども経営者です。一般のお店は商材を仕入れ、必要なお客様に買ってもらい経営が成り立ちます。絵描きの場合は、絵の具や紙を仕入れ、取材をし(あるいは、打ち合わせ、創造をし)、描いて納める。

お店をしているといろんなことがあります。いいことも落ち込むことも。日々その繰り返しですが、ブログには落ち込んだことは書きませんので(笑)たぶんいいことづくめのように思えるかもしれません。

今日、ひとりの水彩個人授業の受講生さんが、漏水被害でアルティオ休業以来、ほぼ三ヶ月ぶりにやってきました。先の大戦を知っている世代です。
その方は長いことお付き合いくださっていますので、わたしどもの悲喜こもごもをよく知っています。今日も漏水で休業の話になりましたが、こんなことを言ってくれました。

「先生にはほんとにいろんなことが降り掛かってきますね。大変…と思われているかもしれませんが、でも、それは誇るべきことですよ。」

人生の大先輩のその言葉にぐぐっと操縦桿を引いた気持ちになりました。

操縦桿と言えば、飛行機です。
以前サンテグジュペリの搭乗していた複葉機を水彩画で描きました。ポテーズ25です。何枚もの資料写真を集め、デッサンし直し描いた一枚ですので、絵のアングルの写真は存在しません。

うれしいことに、縁あって嫁入りして行きました。その嫁入り先のご主人がアルティオに見え、「今、このように飾っています」と、写真を見せてくれました。
なんと絵のそばには、昔読んだという「星の王子様」の本が!!
気持ちが空高く舞い上がったのはいうまでもありません。

一見低空飛行でも、視線は見上げたい。視線の先は高い空ばかりですから。


 

 

共時性、というんでしょうか、立て続けに同じ話題が異なる方向からやって来ることが多々あります。
昨日のこと、それは宮沢賢治でした。

こう書くと「おっ!きたな!アヤシイぞ、こいつ!」と思う方も居るかもしれませんが、別にスピリチュアルな画風を売りにしているイラストレーターではありませんし、ましてやなにかこう、カリスマをプンプンにおわせる画家でもありません。
それでもそういう体験が結構多い。いわんや目に見えない思考の磁場みたいなものってあるんじゃないかな、と思いたくなります。

昨日は宮沢賢治がらみのイラスト仕事をしていたのですが、ただ描くだけではなく今後の宮沢賢治作品の展開を考えていました。すると夜、一本のメールが。それは小学校の同級生からの「今、銀河鉄道の夜を読んでいるけど、すごい物語だね」という内容でした。心の中では、「おいおい、、今日は一体どういう日なんだ、、、。『賢治の絵をもっと描け』と言われているような、、、。」

そんなわけで、賢治絡みの絵をアップします。
水彩画は、故郷岩手の北部、岩手町郊外で出合った風景です。雪原に立つ一本の木を見た瞬間、思わず「又三郎だ」とつぶやいていました。タイトルは「風の少年」。1号程度の小品です(お客様の御宅の壁に嫁入りしています-個人蔵)

風の向くまま、なんていいますが、日々繰り返される共時性から「あらたな道筋」を考えるならば、意外にも風に乗ることができるかもしれません。get on the wind(…..とおもって生きています^_^まだ乗れてないけど)

まだ暑い日が続いています。
一筆雪景献上かしこ。

 



昨日、お盆のお墓参りで山形市に居ました。来年夏の終わりに山形市内の百貨店大沼デパートで個展が予定されていますので、美術ギャラリーへの挨拶もあって、市内へでかけました。そのついで、七日町界隈の路地をしばし散歩。人の息づかいがするような裏道をのんびり歩きました。スケッチをしたわけではありません。

自分にとっては実体験が創造のみなもとなんだな、と思います。
水彩による風景画を描くときも、抽象画に向かうときも、ファンタジー世界を作り上げるときであっても、無意識に沈んで行った風景や、風景を体験していたときに感じていた「思考のかけら」からなにかをすくいとっているように思えます。

描くことは考えの表出です。体験は思考のかけらをたくさん生み出します。どれだけの思考のかけらを潜在意識に溜め込んでおくか?私にとってのデッサンは、紙に描くスケッチデッサンと同じくらいに思考デッサンが宝の山のように思えるのです。

今日アップした絵は突拍子もない想像の世界のように見えますが、そこに現れる風景やキャラクター、物語は、過去の体験から浮上してくるものをすくいとって脚色したものにすぎません。私がイラストレーター・画家の仕事をする上でもっともたいせつなのは、どれだけ多くの体験・思考をするか、なのかもしれません。

2016年のことです。
とある出版社の編集者さんが、東京で開かれたとあるパーティで交換した私の名刺の水彩画に目を留めて、仙台の事務所に電話をくださいました。当時の名刺はこの絵柄でした。フランスブルターニュを描いた水彩画をあしらっていました。

「今、一冊の絵本が進行中です。名刺の絵が思い描いている絵本の雰囲気にぴったりなんです。お仕事ご一緒しませんか?」(編集氏)
「もちろん喜んで!」(私)
「ありがとうございます。打ち合わせですが、文章書かれている作家さんのお住まいは徳島なんです。古山さん、大阪方面にいらっしゃる機会なんて、、、お住まい仙台ですもんね、、、無いですよね?」(編集氏)
「え!?2週間後にオフで大阪旅を決めていますよ!二泊三日です。そのタイミングでよければ」(私)
「そうですか!では作家さんに確認してみますね!」(編集氏)

「古山さんが大阪にいらっしゃる日だけ、予定が空いているそうです!ぜひ打ち合わせましょう!」(編集氏)

私の大阪への滞在旅は実は人生で2回目。1回目は高校の修学旅行。2回目のその時は完全にオフでの大阪行きでした。(ほかに一度だけ途中下車はあります)手元の航空券が、まさに奇跡のチケットのように見えました。

とある出版社とはPHP研究所、作家さんとは、児童文学作家くすのきしげのり先生です。大阪で打ち合わせた仕事は、その後絵本「あなたの一日が世界を変える」として出版されました。

イラストレーターとして仙台で独立したのは1994年。当初から絵本は関わりたい創作表現でしたが、なかなか結びつきませんでした。が、「無駄はない。思いつづけろ。地道に前に進め。さらば道は拓ける」そんな旅の神様の声が聞こえた気がしました。(註:「旅の神様」とは、若き頃のバックパッカー体験から私が勝手に思っている、『不思議な出会いをくれる大いなる存在』のこと。)
今もくすのき先生とのタッグで新しい絵本が進行中です。これも旅の神様の計らいなのでしょう。

9月23日まで、徳島県立文学書道館で『くすのきしげのりの世界展』が開催中です。
絵本「あなたの一日が世界を変える」「交響曲『第九』歓びよ未来へ!」のイラストを描くことでご一緒しました。

展示では、100冊を越える著作くすのきワールドを俯瞰できます。もちろん私の関わった絵本も仲間に入っています。
ぜひ足をお運びください。

 

 

くすのきしげのり先生の短編集「海の見える丘」は五編のお話が納められた短編集です。それぞれ一冊ずつの絵本になります。出版社は「星の環会」です。

絵を担当するのは、五人のイラストレーター。
篠崎三郎・田村セツ子・狩野富貴子・松本春野・そしてわたし。(敬称略)

刊行予告がスタートしました。

2020年春までに順次発刊しますが、わたしが担当する「海の見える丘」と松本さんの「あたたかい木」は刊行のトップバッターの予定です。

世界を作ることからはじまる絵本のイラストレーションは、映画作りや舞台にも似ています。登場人物の背景、バックグラウンドから考えなければ絵本の中で動いてくれません。でも、そんな表に出ない作業も楽しいのです。

お楽しみに!

 

絵本ワールドinふくしまの会場で、一人の読者さんから、「『あしたのまちはどんなまち?』の絵本はないんですか??」と訊かれました。

1999年、イギリスとアイルランドを旅したわたしたち一家の物語を絵本にした一冊です。個展取材での旅でしたが、その旅を絵物語に表現したノンフィクション絵本でした。2004年制作。

その「あしたのまちはどんなまち?」を全ページ掲載します。

自主制作絵本でしたので、今は手元に一冊が残っているのみです。

幻?の絵本「あしたのまちはどんなまち?」全ページをギャラリーに掲載

1999年、イギリスとアイルランドを旅したわたしたち一家の物語を絵本にした一冊がありました。個展の取材での旅でしたが、その旅を絵物語に表現したノンフィクション絵本でした。

「あしたのまちはどんなまち?」をギャラリーのイラストレーションコーナーに全ページ掲載しました。

                     

アルティオで開催中のリボーンフェアは連日、お客様にいらしていただいています。ありがとうございます。
先日、神戸個展で知り合った神戸の方が、七夕ツアーの仙台自由時間を使って、わざわざフェアに来てくれました。

ここ数年、関西との縁がとても深まっているのですが、大阪でキャンドルショップ・ワンオーバーエフのオーナー吉田さんもその一人です。

アルティオがオープンする前に私がお邪魔したのが縁ですが、その後、ことあるごとにお世話になっています。先だっては吉田さんがテレビに出演なさった時に、私と一緒に映ったスナップも大阪圏で放映されました^ – ^

その吉田さんから嬉しい報告があったのは昨日のこと。「絵本・交響曲『第九』歓びよ未来へ!」を旅の友に、徳島県は鳴門板東に旅してくれたのでした。

木陰で絵本を再読したとのこと、そして、登場人物がまるで目の前で話してくれているような、そんな不思議な感覚だった、と伝えてくれました。
作者にとってこんな嬉しいことはありません。ありがとうございました。

そういえば、第九絵本にさきだって出版された「あなたの一日が世界を変える」の初打ち合わせをした場所も、大阪でした。人様との繋がりは、その方が暮らす地へのラブを生み出します。
私たちにとって関西は大切な地のひとつになりつつあります。

「絵本・交響曲『第九』歓びよ未来へ!」が縁となって講演会を依頼されたのが、昨年の「絵本ワールドinふくしま」でした。今年はその縁で子供達とのワークショップをご依頼いただき、明日9日郡山に入ります。(ワークショップは10日)
大阪ではじまった様々な縁が東北といったりきたり。一冊の絵本はエンドレスの縁を紡いでくれています。

写真は吉田さんが板東のドイツ兵俘虜の墓前で撮影された二枚です。感謝です。

 

 

■ 2019/8/6 投稿 ■

8月10日〜11日と、福島県郡山市のビッグパレット福島で、「絵本ワールドinふくしま2019〜作家と親子の読者の交流を」が開催されます。たくさんの絵本がビッグパレットふくしまに並びます。
私も子供達と「お絵描きタイム」を一緒にします。(10日10:30〜12:00)子供達とのワークショップは小学校ではやっていますが、今回は「描き方」よりも「楽しい発想」を伝えたいなと思っています。
絵本の原画の展示はもちろん、今回は「未来の絵描きさん」へむけて、個展発表の水彩作品も数点展示します。お近くの方、お子様連れのファミリー、絵本好きなみなさん、ぜひどうぞ!

2019.8.10〜11ビッグパレット福島開催の絵本イベント案内

 

 

 

8月10日〜11日と、福島県郡山市のビッグパレット福島で、「絵本ワールドinふくしま2019〜作家と親子の読者の交流を」が開催されます。たくさんの絵本がビッグパレットふくしまに並びます。その数10,000冊!
私も子供達と「お絵描きタイム」を一緒にします。(10日10:30〜12:00)

子供達とのワークショップは小学校ではやっていますが、今回は「描き方」よりも「楽しい発想」を伝えたいなと思っています。子供達のパワーを逆にもらってこれそう。
絵本の原画の展示はもちろん、今回は「未来の絵描きさん」へむけて、個展発表の水彩作品も数点展示します。

お近くの方、お子様連れのファミリー、絵本好きなみなさん、ぜひどうぞ!