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仙台は風の町です。気候もよく住み易い町ですが、風が強いのが玉に傷でしょうか。アルティオ店舗がある立町はそんな仙台を代表する川、広瀬川のすぐそばにあるということもあり、風の強さをより感じます。
風に向かうのはしんどいですが、「鳥が飛ぶときは向かい風に向かって飛び立つんだ」と、友人のU社長が今日のSNSでつぶやいていました。至極納得。

新しい試みは、見えないこと、読めない事態と不安要素が大きいですけど、それでもチャレンジしなければ同じところでぐるぐるまわっておしまいです。
作家の私と店長の妻は若い頃に風まかせの旅をしてきましたが、その旅が「風に向かえ」と教えてくれたように思えます。だって、長旅をしていると移動しないのが一番ラクなんだもの。ラクだけど降り掛かって来る旅の神様からのプレゼントはどんどん少なくなってくる。これは不思議。

仙台での日常に戻りましたが、しばしホームでの給油ののち、あらたな風に向かうとしましょう。今、新しいことを始める準備が進んでいます。新しい風、かもしれません。一人だけでやっていることではないので、発表できるのはもうすこし先です。フリーランス画家は単独飛行に見えるかもしれませんが、そんなことはありません。個展にいらしてくださったお客様をはじめ、すれ違う人でさえ飛び立つことを支えてくれる大きな浮力であり支え、そして推進力に違いないんです。

絵は「Home」。来月開催の銀座個展案内DMに使ったイギリス・ウィットビーの港町。漁から港へ戻ってきた漁船を描いた一枚です。Homeがあるから明日もチャレンジできます。神戸から東京銀座へ。ホームとしての仙台,そして東北に感謝しています。

ギャラリーページにこの絵とフランスの港の絵をアップしました。どうぞ、ごらんください。

6/10〜17東京銀座ギャルリサロンドエスで個展を開催します。

古山拓水彩画展「角をまがれば」

「角の向こう側にきっと心に響く風景がある…」 いつもそんな気持ちで旅をすすめます。
イギリス、フランスの水彩風景を中心に展示いたします。
前回の個展では直前の急病でご来場のみなさまにご迷惑をおかけしました。
こころよりお詫びするとともに、あらためて再びお会いできることを楽しみにしています。

2019年6月10日(月)〜17日(月)
AM11:00~PM6:30(日曜・最終日PM5:00まで)

会場:ギャルリサロンドエス

住所:東京都中央区銀座6-3-2ギャラリーセンタービル2F(泰明小学校向かい。フレンチカフェレストラン・オーバカナルの二階になります)

久しぶりのブログ更新です。昨晩17日、神戸から仙台に戻りました。アルティオ店舗を一週間臨時休業にしてしまいましたが、再開した今日、忘れられているかも、、、と思って店舗を開けたのですが、常連さんが続けていらしてくださいました。そして一枚のちび絵もお嫁入り。感謝以外ありません、本当にありがとうございます。トップ画像はマジェスティックホテルのちび絵です。

さて、神戸を振り返ります。

仙台=神戸を勝手に(笑)水彩で繋いだ一週間でした。神戸に居る知り合い友だちは数人。案内状を送る先も無い中で、はたして成功するのか???不安と新しい地へのチャレンジへの期待が混じりあっての水彩画展でした。

結果、嬉しい出会いやサプライズの連続。そして神戸、大阪、遠くは滋賀へと作品が嫁いで行きました。最終日嫁いだ絵は、当サイトのトップを飾っているバラの絵です。おかげさまで気持ちよく締めくくることができました。 

実は帰る間際にトドメを刺すような超サプライズがあったのです。

帰仙当日、三宮地下鉄駅でのこと。
『ふーるやまさぁん‼️』と声が。

神戸で声をかけられるなんてありえない。驚いて声の主を見ると、なんと仙台出身で東京在住のローラーペイントアーティストのサトウタケシさんが!…彼とは一昨年のクリスマス、一緒にライブペイントディナーイベントをした仲。まさかの神戸の地下鉄駅での再会。(写真はそのライブペイントイベントの様子)

彼は三日間だけのライブペイントを神戸のギャラリーでしています。19日が最終日。お近くの方、ぜひ行ってみてください。詳しくはこちらです。どうやら神戸には、なにかしら引っ張られているようです….

神戸から仙台へ戻りましたが、来月6月は、10日から東京銀座のギャルリサロンドエスで個展が決まっています。イギリスフランスの水彩風景画が中心のラインナップです。みなさまのお越しを万全でお待ちするためにも、あと20日ほど、あれやこれやとちょっとばかり冷や汗です。

古山拓水彩画展「Beyond the Sea 旅の彩り」

神戸トアギャラリーにて開催中です。私古山拓と妻のアルティオ店長古山久美子は全日程在廊しています。

仙台と神戸を繋ぎたい、そして、8年前の震災の時のありがとうを個人的に伝えたくての神戸開催でございます。
といっても決して堅苦しくはありません。柔らかい水彩画の展示です。
令和元年早々の神戸初個展、令和に因んだ小さな小さな作品も準備しました。どうぞ、お気軽にお立ち寄りください。

以下、トアギャラリーさんのウェブサイトでの紹介画面です。ちなみにDMの絵は、スコットランドハイランドの古城、アイリーンドナン城です。レンタカー借りての一人旅で出合ったお城です。

会場にはイギリス、フランス、イタリア、ポルトガル、フィンランドなど海の向こう(Beyond the Sea)のヨーロッパ各国を旅し取材した水彩画を展示中です。16日木曜まで。

 

 

〒650-0012
神戸市中央区北長狭通3-12-13(トアロード・JRより北へ100M西側)
1階展示室TEL.078-334-0531

カスカイスの港 ポルトガル

ブログをアップする本日9日、夕方には神戸のトアギャラリーで搬入です。
ぎりぎりまで準備がありました。これほど準備に時間を費やしたのは、貸しギャラリーゆえすべて自分たちが準備をやらなければならない、ということもありますが、神戸に縁のある友人や知人が、はっとするアドバイスをいくつかくれたからです。「それ、やったほうがいい!」というような。

同時に一週間仙台をあけるわけですから、通常の仕事もあれこれ前倒しです。神戸から戻ってすぐのアルティオ企画「おはなしの部屋△」の次回のゲスト、フリーアナウンサーの黒田弘子さんと前打ち合わせ、そして、菓子作家の高木さんとのとあるヒミツ企画の進行、レギュラーイラスト仕事もひとつ修正が入り、ギリギリ提出、得意のすべりこみセーフ。

無事、神戸に向かうヒコーキに乗れそうです。

5月11日から神戸個展「古山拓水彩画展〜Beyond the Sea〜旅の彩り」がスタートします。会期は16日木曜まで。

トアギャラリーのオーナーさんから、「看板を作りますが、ただ個展タイトルを掲載するだけではなく、仙台から神戸へという文言を載せた方がいいのでは?』とご提案をいただきました。
とてもうれしい申し出でした。

神戸の方、関西の方、西日本の方、素敵な町神戸、そのトアロードにあるトアギャラリーでお合いできることを楽しみにしています。ぜひ足をお運びください。会場で心よりお待ちしています。

 

それは強く優しい書でした。末尾に私が恥ずかしながら蓮の絵を描かせていただいた作品です。揮毫したのは書家、菅原紫雲先生です。冒頭スナップは、メディアテークで開催中の「2019みやぎを魅せる書展」(8日最終日)で先生とご一緒した写真です。

紫雲先生との出会いは10年前にさかのぼります。私とガラス作家、染織作家の三人で仙台・森民酒造酒造本家の酒蔵を借り切って「広瀬川美術蔵」なるアートイベントを開催ました。その会場にいらしてくださったのが縁のはじまりです。
宮城の銘酒のひとつ「伯楽星」の題字を書かれた先生です。「ああ!あのラベルの書!」とうなずく方も多いでしょう。

アルティオギャラリーに何度もいらしてくださっているのですが、二ヶ月ほど前、「相談があります」と立ち寄られました。聞くと障がいをもったお兄様を亡くされたこと、そしてお兄様への思いを書に表現したい。最後に私に蓮を一輪描き込んでほしい。そんな重量のある依頼でした。

アルティオに持ち込まれた和紙には、すでに亡きお兄様への想いが、障がいをもった人々への感謝の言葉とともに愛情にあふれた筆致で刻まれていました。書き上げられた言葉を丁寧に読み上げながら「最後の空白。ここに蓮をお願いします。」

残された余白に描く、、、。躊躇しなかったといえば嘘になります。何度も描いた中からよくできた一枚を選ぶのではありません。一回で描き切らなければなりません。失敗は許されない。
筆を入れる日、こんな私であっても心を鎮めることから入りました。(もちろん事前に鉛筆ドローイングと打ち込みならぬ描き込みを繰り返しています)あとは一気。

お渡しした日からひと月ほどが過ぎ、そして今日。紫雲先生の大作は、障がい者を長いあいだ看取ってきた方にしか表現し得ない「静謐なる感謝」を光とともに放っていました。そんな紫雲先生だからこそ、わたしのようなアウトサイダーを優しくも受け入れてくれたのだと思います。あり得ない機会をいただきありがとうございました。
先生の作品写真をアップします。ぜひ、揮毫された内容をご一読ください。
「2019みやぎを魅せる書展」は8日が最終日です。

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正岡子規「はて知らずの記」を辿る連載は,偶然にも私と縁のある、もう一人の書家との交流にも触れていました…。予定調和でしょうか?不思議な感じです。今回子規の足跡に訪ねた場所は、仙台・国見です。

書家伊藤康子さんとの合作もアップします。同じ場所に取材した、全く違う水彩と墨絵をお楽しみください。

 仙台・国見
夕立の 見るゝゝ 山を下りけり  子規

 実は私はこの句をもとに、書家と一つの作品を共作したことがある。私が墨画を描き、同じ紙に書家が子規の句を揮ごうした。この共作で私は、作家がお互いの心の深い領域まで踏み込まないと作品にならない、という貴重な経験をさせてもらった。もっとも作品が完成したのは、私の稚拙さを、書家が鷹揚に構え補ってくれたからに他ならない。

 何を言いたいかというと、表現者のキャッチボールで生まれる化学反応の面白さだ。正岡子規は、国見の南山閣にて、歌人鮎貝槐園(かいえん)といくつもの歌詠みを交わす。子規が「涼しさのはてより出たり海の月」と詠むと、同じ心を槐園は次のように返したという。

 はたゝかみ遠くひゝきて波のほの月よりはるゝ夕立の雨  槐園

 文人が集った南山閣には、きらめくような言葉の化学反応が起こっていた。国見に生まれた作品たちは、表現者同士の魂の交歓だったのではないだろうか。

 国見の高台の今は、住宅地だ。何本もの電柱と遠くに見える木々が「夕立くだった青葉山」をトリミングしていた。
(絵と文・古山拓)

  

書家伊藤康子先生との共作。(サイズ全紙)

「笑ってっか?」

「おめえは手ごわがったな」

「君はなかなか嫁にいきたがらないなぁ。今回はいい出会いがある、きっと^_^」

そんなふうに梱包しながら一点一点の絵に声をかけ、そっと撫でながら箱を閉じました。さすがに声を出すとなんだかこっ恥ずかしいので、もっぱら「心の中での声掛け」ですけど。画家のちょっとした儀式かもしれません。(他の作家さんには聞いたことが無いのでわかりませんが…)

11日からはじまる神戸個展の会場・トアギャラリーへ向けて、GWの最終日の今日、仙台のアトリエから荷物が出発しました。今は絵達は仙台の集荷センターについたあたりかな。

トップの絵は展示のなかでも、もっとも小さな作品のひとつ、「Triumph」です。絵画寸法は11センチ四方。北海に面したイギリスの港町で出合った、たぶん、じゃじゃ馬です。きちんとしたギャラリーでは初お披露目です。
そうそう、神戸のトアギャラリーにはBGM用にCDを5枚持ち込みます。すべて、思い入れがあるものばかりです。どんな曲かはお楽しみに。

さて、子規のはて知らずの記を辿る連載が、二人展と個展準備に終われ、辿りつけていませんでした。

今日は久しぶりに続きをアップします。子規は松島行から仙台に戻ります。

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仙台大橋

「旧城址の麓より間道を過ぎ広瀬川を渡り槐園子を南山閣に訪ふ」

(はて知らずの記より抜粋)

 松島遊覧から戻った正岡子規は仙台市内に投宿。はて知らずの記の草稿には「針久に投ず」という一文がある。文献等に国分町付近と仙台駅周辺に同名の旅館を見つけたが、残念ながら両方とも今はない。子規がどちらの宿に泊まったのかは分からない。旅を通して二つの針久に投宿したとする説もある。

 どちらにせよ日々強烈な刺激を受ける子規にとって、宿は一日で最も心安らぐホームだったに違いない。ホームはたどり着く地でもあり、出発の地でもある。

 さて、松島の刺激を宿で鎮め、新しい一日に出発した子規は、仙台に何を見たのか。かかる抜粋を今に辿ってみよう。

 大橋を青葉山へ渡り右に折れる。直進すると澱橋が広瀬川をまたぐ。南山閣とは国見の高台にあった伊達家老石田家の別荘だ。察するに子規は大崎八幡を横目に唸坂を上り、南山閣へ。訪ねた槐園(かいえん)とは、鮎貝槐園。気仙沼出身の歌人落合直文の実弟だ。

 明治の時代、南山閣は文人歌人が集まるまさにホームだった。仙台での子規の数日がここに始まる。

(絵と文・古山拓)

下の絵は仙台大橋です。この「子規と歩いた宮城」を出版したあとに、文中の「広瀬川をまたぐ澱橋」を描いていますので、こちらに掲載しておきます。(澱橋の絵は、今は嫁いでしまいまして、手元にはありません)

仙台大橋

澱橋

ヘルシンキの港

石造りの村 南フランス トゥレットシュルルー