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文学とアートのコラボイベント「Bungaku CARTOON」展が昨日初日を迎えました。

藤村みゆきさんのお客様も次々に来訪。なんといいますか、会場のアトリエアルティオの部屋が笑顔です。

お昼くらいにいらしてくださったボイストレーナーで朗読活動をしている荒井真澄さんが、即興でもあり、とてもいい雰囲気でスタートしました。これは聞き物でした!!

おはなしの部屋△で登板してくれたファッションスタジオサムのオーナー高橋修さんも「花見のついでだよ」と立ち寄ってくれて、「こんな展示だとは思わなかった。想定外にいいね〜」と嬉しいコメントをくれました。

今回のわたしの出品作品から入り口に掛けている「シェイクスピアカントリー」と太宰治の金木に取材制作した「津軽の人」をアップします。シェイクスピアカントリーは水彩、津軽の人はパステルです。

絵画作品、人形作品はもとより、陶芸家の加藤晋さんに指導いただいた陶芸によるブローチや帯留めもラインナップ。アート雑貨モードの二人展です。ぜひどうぞ、お立ち寄りください。

  

このビジュアルはなんでしょう?よーくみると、実は積み重なった本です。
じつはこのイラストレーションは、仙台文学館とのコラボで描いた水彩イラストです。仙台文学館×古山拓のコラボグッズとして文学館オリジナルポストカード、ブックカバーに使用されています。

今日から始まります「藤村みゆきと古山拓のサンジョルディ企画・BUNGAKU CARTOON展」で、会場の一部に使用されています。店長古山久美子のこだわりの店内飾り付けに使われています。会場でにやっとしてもらえると嬉しいです。

搬入はきれいに決まりました。サンジョルディの日が近づいてきました。アートで本に絡む一週間の始まりです。アトリエアルティオでみなさんの笑顔を楽しみにしています。

 

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正岡子規「はて知らずの記」を辿る「子規と歩いた宮城」転載連載、続きをアップします。(読んでくださっている方、はたしているのかしら???)


富山観音

涼しさのここからも眼にあまりけり  子規

 雄島を訪ねた子規は、その日のうちに松島から船で富山へと向かう。目指すは奥州三観音のひとつ富山観音だ。

 下船後、彼は、地元の子どもの道案内で、小山の頂きにある富山観音への急な坂をひたすら登る。体調芳しくない子規にとって、この行程はかなりの苦行だったにちがいない。

 「はて知らずの記」に、実は「涼し」という言葉が、これでもかというほどに登場する。真夏の旅ゆえ涼を求めたという事もあるだろう。けれど子規の足跡をたどると、病に冒されつつあるからだを風景に癒されたゆえの「こころの静けさ」だったのではないか、と私には思えてならない。

 私が富山を訪れたのも夏の暑い盛りだった。汗だくになって階段を進む。「取材とはいえ、暑い夏は避けた方がよかったな」などと不埒な考えが頭をよぎる。登り切って、富山観音を背に振り返る。と、眼下に広がる松島におもわず息をのんだ。同時に心に吹き渡ったのは、思いもよらぬ一陣の涼風…。

 子規が松島眺望に詠んだ「涼しさ」の 意味を、からだが理解した瞬間だった。

(絵と文・古山拓)

 

 

 

連休明けの5/11(土)〜16(木)神戸で個展をひらきます。神戸では初めての個展です。以前から神戸で開催することがかなえたいことのひとつでした。トアロードに面したトアギャラリーでの開催です。
会期中は全日程会場にて皆様のご来場をお待ちしています。(神戸個展の搬入(5/9)〜会期中はアトリエアルティオ店舗は臨時休業となります)

タイトル/古山拓水彩画展Beyond the Sea〜旅の彩り〜

会期/2019511日(土)〜16日(木)午前11時〜19時(最終日は午後4時半閉場)

会場/TORGALLERY1(トアギャラリーワン)

   〒650-0012神戸市中央区北長狭通 3 – 12 – 13 TEL.078-334-0531

イングランドの平原を描いた透明水彩画

藤村みゆき×古山拓のサンジョルディ企画 ブンガクカートゥーン展

文学・文豪をテーマに人形作家と絵描きが手を組みます。 人形から帯留め、水彩から陶芸まで創造イマジネーション縦横無尽。 登場予定の文豪。夏目漱石・芥川龍之介・プルースト・ヘミングウェイ・あの人もこの人も。 4/21午後2時からはギャラリートークもあります。立ち寄ったら帰り道は本屋さんへ行きたくなること必至のコラボ展です。

明日に搬入をひかえて、さすがに部屋から一歩も出られません。腰にきますね。いたた。
仙台に巻き起こっている暴風警報はCARTOON警報でもある、、、と思いたいです。


今日の予告編は、開高健のベトナム戦記。こんな感じです。

ラフと色付きプリントを一枚のパネルに入れて展示します。小さいけれど。ラフの鉛筆線の疾走感を楽しんでもらいたいと思っています。

文学からどんな表現ができるのか?テスト版もありますけれど、「こうでなくてはならない」というストッパーを解放することで、発想や表現のヒントをもらえるのがCARTOONのいいところですね。もちろん、定番の水彩表現も展示します。陶芸作品から透明水彩、そして劇画調まで。お客様に「へえ〜、文学をネタに、こんな風に楽しんでもいいんだ」と思ってもらいたいです。

藤村みゆき×古山拓 BUNGAKU CARTOONは17日水曜日スタートです。


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今日の正岡子規「はて知らずの記」をたどる連載は、松島です。舞台となる雄島は、松島の外れにありますが、訪問の価値ありです。

松島・雄島

「細経ぐるりとまはれば石碑ひしひしと並んで木立の如し。」(はて知らずの記より抜粋)

 松島水族館の裏手にあるヨットハーバーを横目に、岩塊をくりぬいたほの暗いアプローチを進む。と、そこに小さな島が浮かんでいる。その昔、修行僧が石庵を結び、死者の魂を鎮め祈ったという、雄島だ。先の大津波で橋が流され、残念ながら原稿を書いている今は渡ることが叶わない。(註;現在は既に修復し渡ることができます)

 塔婆のごとく石碑が林立する島は、まさに祈りの場所だ。子規も訪れているが、記述はわずか二行と「すゞしさを裸にしたり座禅堂」の一句で終わっている。

 私が雄島を訪れる度に思い出す島がある。それは、西の彼方アイルランドのはずれ、大西洋に浮かぶアラン島だ。

 アラン島を旅したのは十年以上まえのことだ。岩盤からなるその島には土が、ない。それでも島民は岩を砕いて海藻を敷き、じゃがいもを育て、荒海へと漁に出る。何もないといえばそれまでの島だ。けれどそこは、無力な人間の「それでも生きる」という、魂の声に満ちていた。

 雄島もしかり。主がいなくなった石窟に吹きつける風が魂の声となって胸に響く。雄島は私にとってのもう一つのアラン島なのかもしれない。

(絵と文・古山拓)

 

17日からはじまるBungaku Cartoon展への出品作を二点ご紹介です。フライングですが、複葉機につきフライングご容赦ください。この二点は、サンテグジュペリからの想像で描いた水彩イラストです。Potez 25(冒頭イラスト)とBreguet 14。

ブレゲー 14(Breguet 14)は第一次世界大戦におけるフランスの爆撃機。ポテーズ 25は複葉機。郵便飛行機としても使われたもの。

星の王子様がもっとも読まれていると思います。が,ご本人のイラストが素晴らしすぎるので、あえて今回の企画展では、私はサンテグジュペリのヒコーキものに敬意を表して二枚羽根複葉機を描きました。

資料写真を集めてからデッサンし直し、オリジナルの構図で描いています。「このアングルだとこう見えるはず!」と、私の脳内CGです。コンピューターには敵わないけど(笑)ヒコーキはプロペラ付きまでが描いていて楽しいですね。

以前、とある空撮のロケハン仕事でセスナ機に搭乗したことがありました。機体が小さいゆえでしょうか、飛行機が「空気という固まりの上を切り裂き滑って行く」感覚を体感できたのが印象的でした。

(Breguet 14)

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子規の「はて知らずの記」を辿るエッセイ転載、続きを記します(原本は拙著「子規と歩いた宮城」)。   今日は松島五大堂です。

『子規と歩いた宮城』第11回 松島・五大堂

すゞしさや島から島へ橋つたひ   子規

 瑞巌寺山門前の宿に荷物をおろした子規が、最初に訪れた場所は観瀾亭だ。秀吉が政宗に与えた茶室が移築されたものだと「はて知らずの記」にガイドブックさながらに記されている。

 子規憧れの地だ。松島を歩き始めた彼の高揚感は紀行文にも現れている。観瀾亭に言及するボリュームからは、感激した様子が十二分にうかがえる。観瀾亭で島影を眺めたのち、彼は瑞巌寺、そして五大堂へと歩を進める。

 松島が日帰り圏の距離に住む私は、何度もこの名勝を訪れ、放つ魅力を楽しんできたつもりだ。けれど、今回の松島行は何かが違っていた。子規のつづった紀行文をたどりながら訪ねた松島は、まるで、彼の網膜に時を超えてアクセスしているような、そんな感覚だった。子規の目に入り込む感じと言えば分かりやすいだろうか。

 気が付くと五大堂を前に、かばんから鉛筆を取り出していた。

 「子規の目線を描く松島も面白いな」。彼が句に詠んだ欄干の赤い弧を捉えながら、そんなことを思っていた。

(絵と文・古山拓)

 

■ 2019.4.10 NEWS ■

小説の中から、主人公が!花や動物たちが!文豪も!飛び出してきた!!ちょっと変わった文学×コミカルアート展♩
人形、イラスト、ブローチや雑貨など、新たな二人の試みをどうぞご覧ください。
帰りはきっと本屋さんに寄りたくなるような企画展です。

●4/17(水)~4/23(火:サンジョルディの日)会期中無休
11:00~18:00/最終日16時終了: (24日(水)は臨時休業いたします)
●会場/アトリエアルティオ

先日、オーダーページを通して、愛媛のKさんから水彩画注文制作のご依頼をいただきました。ご実家を手放されるということで,記念に水彩画で、、、とのご依頼でした。ペットのわんちゃんも絵の中に入れて、とのオーダーで仕上がった作品がこちら9センチ×9センチのちび絵です。宅急便でのお届け後、愛媛から「依頼して良かったです」と嬉しい便りをいただきました。ありがとうございました!

さて、そろそろ来年の(!)企業カレンダーの企画を始動しはじめています。カレンダーは12枚の絵柄を必要としますので、印刷スケジュールを逆算すると、仕込み助走の時期です。
そのカレンダーは東北、関東圏を題材となります。

ちなみに今年の古山拓オリジナルカレンダーの今年四月の絵柄は、桜と鳥海山でした。仙台も桜がほころびはじめましたが、今日はなんと夕方から雪!今、外はすっかり雪化粧です。

公園の中を流れる時間はおだやかです。仙台のまちなか、アルティオの向かいに大きな西公園があります。仙台市内にある公園のなかでも、もっとも大きな公園のひとつです。

勾当台公園、肴町公園、錦町公園、榴岡公園、、といくつもあるのですが、市中心部から徒歩10分ほどの距離でもっとも空が広い公園は西公園でしょう。おまけに眼下には滔々と広瀬川が流れます。この環境に敵う公園は、仙台中心部ではほかにないと勝手に思っています。(あくまで中心部の話です)

個人的なことですが、イギリスの公園やベンチが好きです。いや、公園やベンチ自体が好きというよりも、その場に集う人々の「なにもしない」あるいは、「時間をゆったり楽しむ」という姿勢が好きなのかもしれません。

一点写真をアップします。この写真は私が大好きな、イギリスバースの高台にある椅子。
大好きな椅子という言い方もヘンですが、そう、好きなのです、この椅子。
一度目座ったときは、私はこの椅子で夕暮れをぼーっと見ていました。二度目のこの時は残念、女性の先客が。やはりずっと同じ姿勢で彼方を眺めていました。今、写真を見ても、彼女の廻りに流れていたゆるやかな時間を思い出すことができます。(今,アトリエで描いている絵は、そのバースの高台で見えた時間です)

西公園もそんな人々が少しずつ集まると、仙台にはもっといい時間が流れるような気がします。小さなアトリエアルティオもそんな「ゆるやか時間」の仲間に入れてもらえるといいなと思います。

西公園で春恒例の「植木市」がはじまりました。おだやかな時間が流れていました。
あ、「バースの高台から見えた時間」の絵ですが、完成品は神戸個展にお持ちします。

(今日の子規連載はお休みします)

平原に立つ イングランドにて

イングランドの平原を描いた透明水彩画