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情報誌メルカートより「旅絵」連載

絵とエッセイ担当

テーマ/#地の果て#青森・今別#水彩#エッセイ#太宰治#家族

絵とエッセイを担当している「メルカート」情報誌が届きました。
東北をテーマに、旅と取材した現場で思ったつれづれを書いています。コーナータイトルは「旅絵」。

「旅絵」とは私の造語です。
私の描く絵は、目の前の風景を描いているというよりも、その風景に出会うタイミングの前後を描いているように思えるのです。

角を曲がる時のドキドキ感や、入った店のマダムの笑顔を思い出しながら店先を描いたり…。なかなか思い通りにコトが運ばず、でも進んでいたらとっておきの景色が飛び込んで来たり。

描いているときは、絵にそんな思いを刷り込みたいと思って描いています。なので、水彩風景画、というよりも旅絵という言葉を作りました。
アルファベットで発音記号的に書くと【Tabi:e】
「旅へ」とも読めるし、なんかどこかの国の言葉にありそう^ – ^(アルティオオリジナルの「ちび絵」にもきちんと【Chibi:e】と隠れ表記があるのです。)

今回の旅絵は、青森今別の風景を取り上げました。取材に旅したとき、今別では風景に対峙しているとき、何代も津軽海峡に面した海辺で生きてきた「家族」という存在が頭から離れませんでした。
そんなことをエッセイでは書いています。

ちなみにこの絵は不思議な青森との縁で、今別町の町長に手渡され、役場にかけられています。

週末、徳島鳴門へロケハンと取材に行ってきました。
今回の仕事は、昨年出版された「あなたの一日が世界を変える」(PHP研究所)の著者くすのきしげのりさんとの再タッグ、新しい絵本となります。その舞台となる地が徳島県鳴門です。

空港へおりると、くすのきさんが迎えにきてくれました。原稿で必要となる場所を次々と案内していただき、二日間しっかりとくすのきさんの思いも受け止めることができたように思います。

私は旅が好きでヨーロッパへ取材旅を重ねてきましたが、アンテナが立つのは風景のみならずそこに暮らす人々でした。人物ももちろんクロッキーしたりしてきていたのですが、今回の仕事は、そんな「外国人を描き分けられるイラストレーター」ということでご指名いただいたのでした。

すばらしい風景画家は星のかずほどいらっしゃいますが、絵本の中で人物を動かして行くというスキルは、風景画を描く、絵画を描くとは別のもののように感じます。私の場合はその旅の経験とアニメーター時代に原画をてがけていたことが役に立っています。人生に無駄なことはないんだな、と、あらためて感じ入った取材行でした。

スケジュールも出され、待ったなしとなり、年内の予定が濃くなってきました。読み手に「大切な何か」をしっかり届ける、いい絵本となる手助けができれば作家冥利に尽きます。

バイオリンの鉛筆画は、現地で写真が撮れなかったため、クロッキーしたもの。カラー絵は昨年出版されたくすのきしげのりさんの「あなたの一日が世界を変える」の一ページです。

そのイラストレーションを最初に手がけた年は2002年でした。仙台文学館ニュースの「わたしの一冊」への挿絵です。先日最新号が仙台文学館様より届きました。

15年もの長きに渡って担当してきたことが、とても有り難くもあり、信じられません。
毎回、仙台、東北に関わる文人、詩人、小説家が「自分の中で忘れ得ぬ一冊」を取り上げるコーナーです。いままで登場した作家は、有名どころばかり。挿絵をイメージングしなければならないので、できたてほやほやの原稿を読むことができる。これは役得です。

私は今は絵描きという仕事についていますが、もとを辿れば文学部の出身です。文学の持つ味わいを楽しむ術を絵画デッサンよりも前に学んできたわけですから、このコーナーのエッセイ原稿を読むことは、まさに美食中の美食です。

最新号では歌人の佐藤通雅氏が「注文の多い料理店」を取り上げました。その文章に唸りました。そして胸が高鳴りました。岩手出身の佐藤通雅氏がおなじく岩手に生まれた自分とおなじような感覚を賢治に対していだいていたことに。
もちろんいままでの自分を通り過ぎて行った賢治の世界観を思い出しながら、渾身で描かせていただきました。

ウェブでもpdfをご覧いただけますので、ぜひどうぞ。

http://www.sendai-lit.jp/login/wp-content/uploads/2017/09/2017news33001.compressed.pdf#search=%27仙台文学館ニュース%27

三ヶ月に一回開催の仙台リビング透明水彩ワークショップご案内が仙台リビングに掲載されました。
「にじみで描く水彩画」
9/28(木曜)13:30~16:30
場所/リビング仙台教室
料金/4560円(資料代別途300円前後)
今回はフランスの小さな村を描きます。
講師はわたくし古山です。
参加ご希望の方は、リビングカルチャー教室仙台教室=022-265-4305までどうぞ。

 

 

 

 

今、あるテーマで地道に一枚二枚と制作を進めています。
描きたくてたまらないテーマです。もちろん発表の場も考えつつの水彩制作。

企画から制作、進行スケジュール管理、発表、販売まで。アルティオにとってはすべてが大事な仕事。軍でいうなら、指揮系統がしっかりしていないと、また兵站がおろそかでは最前線の兵士は戦いようがないのと一緒ですね。制作は兵站にあたるのかな。

年明け、ある企画がスタートします。いまは雌伏の時。地道に描いて行きます。
そんな企画用の一枚。「ロンドンタグ」です。
外国の船は,異国の旅風景と同じく、とても楽しく描けるモチーフなのです。

フネの絶妙な曲線は、自然の美しさ(女性かな)と一緒ですね。

トップ写真は、届いたばかりの東北学院同窓会報「ルクスムンディ」 毎回、校舎の絵を担当しています。

今回はいまは無い「東北学院中学校・高等学校五橋校舎」。様々なアングルの資料写真をお借りして描き起こしたものです。ありがとうございました。

先週から週明けにかけて、公私ともに慌ただしい一週間でした。 週明けから一泊で東京出張。出張先では制作がストップするので、自ずと納期は前倒し進行。畳み掛けるように発生した二本ほど急な仕事…。なんとか無事乗り切れました。

東京では、友人の紹介で、今まで個展をやったことがないエリアで、ギャラリーを下見。オーナーさんと細かな情報交換。やってみる価値はある街とギャラリー、という感覚が持てました。 行ってみないとわからないことってありますね。

イラストレーターには国語の素養が必要だ、と思う。

素晴らしい絵を描く画家が、すべからく名イラストレーターになれるか?というとそうでもない。もちろん素晴らしい挿絵を描いている有名画家もたくさんいるけれど。

大方イラストレーションは主役に文章があっての脇役だ。絵画とは違うスキルがそこには必要になる。メインビジュアルとして使われるイラストレーションだとしても、そこには文章なり書籍名なりコピーという大黒柱があり、チームプレイなのだ。

国語力とは、文章を理解する能力でもあるけれど、たぶんに「行間を読む」能力だとも思う。イラストレーションとは文章に書かれていない「行間」を、絵で埋めていく役割と私は思っている。

その辺を理解しているデザイナーやディレクター、編集者と出会った時は、仕事が格段に面白い。翻すとデザイナー、ディレクターも表現の行間を理解して伝達する国語力が必要、ということになるのだろう。

文系縮小など、文学部が、まるで役に立たない学問のように考えられている昨今だけれど、実は逆なんだな。
国語力はすべての基盤をなすものだ。

ちなみに稀代の名イラストレーターには文筆家も多いです。
イラストレーションを学ぶ教育カリキュラムに国語。これって必須のような気がするのは考えすぎだろうか?
国語力って表現の基礎体力だとも思うのです。

絵は、新作。ユーラシア最西端ロカ岬に書かれている、ポルトガルの国民的詩人カモンイスの詩、「ここに大地は終わり、海がはじまる」をモチーフに灯台を描いたものです。
(墨+透明水彩 17センチ×19センチ)

ギャラリーのWatercolourに新作を追加しました。「shine」です。
ヨーロッパを旅しているとどんな小さな町にも教会があります。いつもそんな教会をみるたびに、高きところへ、すなわち神様のもとで輝きに包まれたい、という人間の性を感じます。わたしは仏教徒ですが、キリスト教の教会も大好きです。

もちろん日本でもどんな小さな町や村にも必ずお寺や神社がありますが、どうも日本のそれとは感覚が違います。いち個人に責任が大きい西欧ならではの宗教観を教会の塔に感じるのは私だけではないように思います。日本の場合、個人の責任が問われる、あるいは断罪という感覚は、西欧に較べて薄い感じがします。


ひとり自営をしていると決めるのも失敗するのも自分。他のせいにはできませんから、おのずと神様にすがりたくなります(笑)私の場合は神社によく行きますが、手を合わせるときにつぶった目の奥には光=輝きがあります。

結局洋の東西問わず、神様、八百万の神様、仏様、すべて輝きということなのでしょう。

shineの絵でレモンイエローを空ににじませたのは、そのためです。
大きな力に包まれる平安。すべてに光りあれ♩