2017-09-21
そのイラストレーションを最初に手がけた年は2002年でした。仙台文学館ニュースの「わたしの一冊」への挿絵です。先日最新号が仙台文学館様より届きました。
15年もの長きに渡って担当してきたことが、とても有り難くもあり、信じられません。
毎回、仙台、東北に関わる文人、詩人、小説家が「自分の中で忘れ得ぬ一冊」を取り上げるコーナーです。いままで登場した作家は、有名どころばかり。挿絵をイメージングしなければならないので、できたてほやほやの原稿を読むことができる。これは役得です。
私は今は絵描きという仕事についていますが、もとを辿れば文学部の出身です。文学の持つ味わいを楽しむ術を絵画デッサンよりも前に学んできたわけですから、このコーナーのエッセイ原稿を読むことは、まさに美食中の美食です。
最新号では歌人の佐藤通雅氏が「注文の多い料理店」を取り上げました。その文章に唸りました。そして胸が高鳴りました。岩手出身の佐藤通雅氏がおなじく岩手に生まれた自分とおなじような感覚を賢治に対していだいていたことに。
もちろんいままでの自分を通り過ぎて行った賢治の世界観を思い出しながら、渾身で描かせていただきました。
ウェブでもpdfをご覧いただけますので、ぜひどうぞ。
http://www.sendai-lit.jp/login/wp-content/uploads/2017/09/2017news33001.compressed.pdf#search=%27仙台文学館ニュース%27