2018-07-21
辺境世界。10代の頃から、SF小説で大好きで読みあさっていました。大人になるにつれ、ふときがつくとどこか遠くへ置き忘れていました。あのワクワクした感じを取り戻すことが今の自分にとって大切なことなのでは?と、とりかかった表現。それが今回の「それでも僕らはこの地に暮らす」という展示です。以下は会場に掲示しているみなさまへのあいさつ文です。
* * *
「それでも僕らはこの地に暮らす」展への
ご来場、誠にありがとうございます。
家具作家と画家の私たちは、今回の企画にあたって
架空のファンタジー世界を紡ぎ出し、共通テーマとしました。
舞台はどこかの星。
豊かとは決して言えない大地です。
主人公は、荒れた地を耕す農夫のあいだに生まれた女の子、ミカトス。
厳しい環境のなかで暮らす彼らの生活は決して豊かではありません。
苦しいことや辛いこと、戦いもありますが
そんななかで、登場人物達は歓びや幸せを見つけていきます。
『かれらはどんな暮らしをしているのだろう?』
古山が描いたストーリーボードから、
2人は今回の表現に至りました。
桑原は、彼らの食卓を、
古山は、家具の端材から生まれた木で
彼らの住まいと景観を創りだしました。
今日、家に帰られたあと、皆様の食卓に暖かさが灯るとうれしいです。
* * *
7月21日付けの河北新報で、開催中の二人展が取り上げられました。
https://sp.kahoku.co.jp/tohokunews/201807/20180720_15067.html
「紡いだ物語 作品に」という素晴らしいキャッチをつけていただいていました。ありがとうございます。
今回の桑原さんとのコラボは、忘れかけていた大切なモノを取り戻すきっかけになりました。50代になった「かつての少年ふたり」が作り出した「辺境世界」。
その世界を見ていただくことで、みなさんそれぞれにわすれかけていた「なにか」を思い出してもらえるとうれしいです。