2020-02-13
フリーランスのイラストレーターが愛すべきことは、なんだろう?
答えはいくつもありますが、大事なひとつは、その人その人がそれぞれに重ね培ってきた自分の経験なのかな、とも思います。
以前、経営コンサルタントと契約したことがありました。今から思えば、道に迷っていたのだと思います。
コンサル氏は大きな会社を立て直す実力派の方だったので、それは考えのスケールが違いすぎました。残念ながら「制作から納品までを自分がこなす。場合によっては企画も」という仕事に対する肌感覚がすりあわず、結果一年ほどで契約にピリオドを打ちました。
しかし、得たことも多かったのは事実です。「世間のビジネスはそんな考え方で渡り合うんだ」と、「ビジネス最前線の丁々発止」を教えていただいたのは、最高のメリットでありました。
「フリーランスはそう(どう?…笑)見られているんだ」ということをリアルに感じたのも、得たことのひとつです。
そんな体験を経て、思ったのは、コンサル氏はコンサル氏の経験の積みかさねで独自の意見を作り上げるということ。
翻ってフリーランスを見た場合も結果同じです。自身にしかできない仕事体験を積み上げてきたから、フリーランスで食べて行けています。
自分の積み上げた経験に自信を持つ、そして愛する。これがフリーランスビジネスの核のひとつのように思えるのです。
世間に愛するものをたたき売りする人はいません。たぶん。
そう思えるようになったのは、コンサル氏とのなにげない会話からこぼれおちた言葉のあれこれをすくい取っていたから。今は貴重な心の支えのひとつになっています。
閑話休題。
せんだい311メモリアル交流館(地下鉄東西線荒井駅舎内)で2月22日からはじまる企画展『震災の事実×心の真実~世界がすこやかであるために』にイラストレーション制作で協力させていただきました。
東日本大震災時の保険師の活動にスポットをあてた企画展です。
震災時の保険師の活動を聞き描きし、イラスト化しました。館内設置パネルに使用されます。
この仕事が入った理由は、「写真データが無い震災当時の状況を、当事者からの話をきき、的確に臨場感をあわせて、優しいトーンでイラスト化する」ことができるスキルが求められました。
「言語で聞いた状況を、脳内で様々なアングルに作り上げる」
「解説しつつ、当時の状況がわかるように演出する」
「優しさを、色合いと人物表現に反映させる」
今回のイラストレーションには、過去の仕事で積み上げてきた愛すべき体験を反映させることができました。
本日チラシが届きましたので、ご紹介します。
2/22~6/28と会期は長いです。ぜひ足をお運びください。