2020-05-29
「あの時のバルセロナのホテルの女将、どうしているかな、、、」
昨今、ニュースでスペインが映ったりするとつい考えてしまします。
その旅は、バルセロナ発ポルトガル・ロカ岬行きの旅でした。
旅の連れ合いは妻と中学1年の娘、小学4年の息子。バルセロナは、息子が「どうしてもバルセロナに行きたい」と頼み込まれての滞在でした。そんなわけで旅のスタートが自ずとバルセロナになったのです。
私は息子に条件を出しました。「バルセロナに行きたいんだったら、地下鉄の乗り方、町の作りを旅の前に予習しておくこと。」
彼は必死に地○の歩き方を読み漁り、バルセロナを頭の中に叩き込みました。現地で地下鉄も率先して乗ったほどでした。
そんなバルセロナ。息子は路上で一枚の鳥の羽根を拾いました。気に入ったらしく放り投げることはせずに宿に持ち帰りました。
息子の手もとの羽根を目にしたフロントの女将さんが「あなた、素敵な羽根見つけたわね!その羽根、捨てずに持っているのよ。あなたの夢をかなえる羽根だからね」
息子がそのことを覚えているかどうかわかりませんが、私はその4泊5日のことを「バルセロナの夜」とタイトルで一枚の絵にしました。サグラダファミリアを主題にした具象と抽象の中間みたいな絵ですが、その絵の端っこには、実は「男の子と夢を叶える羽根」がこっそりと描きこまれています。
「ネットでオウチからなんでも発信」が当たり前になってきていても、「ギャラリーに行かなきゃ絶対に見られないもの。」もあっていいと思います。なのであえてアップしません。
世界は今、旅の扉を閉ざしています。ネットやテレビ電話では決してたどり着けない宝石が、リアルな旅にはごろごろ転がっている。開催中の個展で描いた水彩画は、私の拾ってきたそんな宝石だと思っています。
せめて、絵の扉の向こうに旅を楽しんでもらえれば幸いです。明日30日土曜、そして31日の日曜は13時から会場入りします。
トップ絵は、スコットランドの旅の途中、足を止めた、「ハイランドの旅籠」。
斜面を登ってドアをノックすると「さあ、入って、入って!」と両手を広げた旅籠のオーナーが迎えてくれるのです。
2020/5/27〜6/2 アートスペース無可有の郷にて、古山拓展「旅人」開催中。
30日土曜日・午後13時からクローズまで
31日日曜日・午後13時からクローズまで
最終日2日・午後13時から閉場まで
会場住所/宮城県柴田郡柴田町海老穴海老沢131
電話/0224-56-3584
会場ホームページ/https://mukaunosato.wixsite.com/art-space