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五回目となる銀座個展が無事終了し、仙台に戻りました。
1997年の初個展から数えて51回目の展示でしたが、気持ちよく笑顔で仙台に戻ることができました。ご来場くださった皆様、そして嫁入りさせていただいたお客様に心より感謝申し上げます。
いただいたご縁をこれからの制作に活かしてまいります。心より御礼申しあげます。
仙台に戻って、さっそくアルティオに入りました。
個展出発直前に「上階からの大漏水」で水浸しになってしまった店舗です。
作家の私が銀座出張中に、店長が復旧業者とやりとりをかさねていました。
思った以上に漏水がひどく,使い物にならない商品や絵と、大丈夫なものの選別、避難にかなり手間がかかったようです。自宅の中に避難させたものが山積み。
相手は水。上水道の水だとはいえ、店内の壁や天井が完全に乾かないと復旧ができないとのこと。しばらく店舗は休業をよぎなくされています。
何人かのいつもいらしてくださっているお客様が店舗に来て、びっくりしたとのこと。こころよりお詫び申し上げます。
復旧完了次第、リニューアルしつつ新生アトリエアルティオを再開させたいです。
名古屋にいらっしゃるお客様のFさんが「リボーンアルティオですね」と嬉しいメッセージをくださいました。関東、関西や遠くは山口からも応援のエールをいただいています。
会期中に,横浜在住の友人のミステリ小説家Y.Oさんと久しぶりにゆっくり話す機会がありました。
あれこれ話しましたが、心に残った言葉がありました。「小説はですね、びっくりさせる連続じゃ心に残らないのです。心に残る物語は「挫折からの再生」といった永遠のドラマがないと、、、」。。。そうです、アルティオも再生=リボーンなんだ。みなさんの応援を糧にがんばっていきます。
数日前、復旧ファースとステージの電気の復旧がすみました。濡れた電気製品はカルキの影響で使えず、全て交換とのこと。スポット照明が新しいものに交換されました。
リボーンへの道のりはブログで発信して行きますので、今後ともどうぞアルティオを宜しくお願い申し上げます。
そういえば、ギャラリーオーナーから「古山さんは、前回は入院騒ぎだったし、今回は水難、、、ほんとアクシデントを乗り越える作家さんよね」と。これは絶品の褒め言葉、と受け止めました^_^
二年前の銀座個展は、搬入日の朝、急な突発入院。妻が急遽会場に向かい接客しました。その個展にいらしてくださったお客様には本当に申し訳ありませんでした。ごめんなさい。
今年は万全を期して、体調も整えて、、、と、準備万端だったはずが、昨日のブログに書いたようなギャラリー店舗の水難顛末。この二日間、あれやこれやと目の回る忙しさでした。
進行している仕事の関係者からは「まずは個展と店舗の事態収束を最優先にしてください。」の言葉が。救われました。…ありがとうございました。
ちょうどトラブル発生の午後、あるお寺様から散華用の絵の下絵をお見せすることになっていたのですが、届けながら「実は…」と話すと「この散華は厄よけですよ。心配しないで」この言葉にも助けられました。…ありがとうございました。
また、イタコ(ほんとです)の友だちからは「大丈夫、露ばらいですよ」とさりげなくメールが。…ありがとうございました。
フェイスブックでも何人もの友だちから、「必要なことあったら声かけて!」とメッセージが。…ありがとうございました。
というわけで、ありがとうがの気持ち一杯のまま、明日の搬入、無事仙台から東京にお邪魔します。
出品作より、フランスリヨンを描いた「家路」です。東京滞在8日間。仙台に帰るときは笑顔で家路につきたいです。
東京に居る間は,ブログはお休みして、フェイスブックでご報告したいと思います。
古山拓水彩画展「角をまがれば」
会場:ギャルリ・サロン・ド・エス 東京都中央区銀座6-3-2 ギャラリーセンタービル2F
久しぶりのブログ更新です。昨晩17日、神戸から仙台に戻りました。アルティオ店舗を一週間臨時休業にしてしまいましたが、再開した今日、忘れられているかも、、、と思って店舗を開けたのですが、常連さんが続けていらしてくださいました。そして一枚のちび絵もお嫁入り。感謝以外ありません、本当にありがとうございます。トップ画像はマジェスティックホテルのちび絵です。
さて、神戸を振り返ります。
仙台=神戸を勝手に(笑)水彩で繋いだ一週間でした。神戸に居る知り合い友だちは数人。案内状を送る先も無い中で、はたして成功するのか???不安と新しい地へのチャレンジへの期待が混じりあっての水彩画展でした。
結果、嬉しい出会いやサプライズの連続。そして神戸、大阪、遠くは滋賀へと作品が嫁いで行きました。最終日嫁いだ絵は、当サイトのトップを飾っているバラの絵です。おかげさまで気持ちよく締めくくることができました。
実は帰る間際にトドメを刺すような超サプライズがあったのです。
帰仙当日、三宮地下鉄駅でのこと。
『ふーるやまさぁん‼️』と声が。
神戸で声をかけられるなんてありえない。驚いて声の主を見ると、なんと仙台出身で東京在住のローラーペイントアーティストのサトウタケシさんが!…彼とは一昨年のクリスマス、一緒にライブペイントディナーイベントをした仲。まさかの神戸の地下鉄駅での再会。(写真はそのライブペイントイベントの様子)
彼は三日間だけのライブペイントを神戸のギャラリーでしています。19日が最終日。お近くの方、ぜひ行ってみてください。詳しくはこちらです。どうやら神戸には、なにかしら引っ張られているようです….
神戸から仙台へ戻りましたが、来月6月は、10日から東京銀座のギャルリサロンドエスで個展が決まっています。イギリスフランスの水彩風景画が中心のラインナップです。みなさまのお越しを万全でお待ちするためにも、あと20日ほど、あれやこれやとちょっとばかり冷や汗です。
「笑ってっか?」
「おめえは手ごわがったな」
「君はなかなか嫁にいきたがらないなぁ。今回はいい出会いがある、きっと^_^」
そんなふうに梱包しながら一点一点の絵に声をかけ、そっと撫でながら箱を閉じました。さすがに声を出すとなんだかこっ恥ずかしいので、もっぱら「心の中での声掛け」ですけど。画家のちょっとした儀式かもしれません。(他の作家さんには聞いたことが無いのでわかりませんが…)
11日からはじまる神戸個展の会場・トアギャラリーへ向けて、GWの最終日の今日、仙台のアトリエから荷物が出発しました。今は絵達は仙台の集荷センターについたあたりかな。
トップの絵は展示のなかでも、もっとも小さな作品のひとつ、「Triumph」です。絵画寸法は11センチ四方。北海に面したイギリスの港町で出合った、たぶん、じゃじゃ馬です。きちんとしたギャラリーでは初お披露目です。
そうそう、神戸のトアギャラリーにはBGM用にCDを5枚持ち込みます。すべて、思い入れがあるものばかりです。どんな曲かはお楽しみに。
さて、子規のはて知らずの記を辿る連載が、二人展と個展準備に終われ、辿りつけていませんでした。
今日は久しぶりに続きをアップします。子規は松島行から仙台に戻ります。
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仙台大橋
「旧城址の麓より間道を過ぎ広瀬川を渡り槐園子を南山閣に訪ふ」
(はて知らずの記より抜粋)
松島遊覧から戻った正岡子規は仙台市内に投宿。はて知らずの記の草稿には「針久に投ず」という一文がある。文献等に国分町付近と仙台駅周辺に同名の旅館を見つけたが、残念ながら両方とも今はない。子規がどちらの宿に泊まったのかは分からない。旅を通して二つの針久に投宿したとする説もある。
どちらにせよ日々強烈な刺激を受ける子規にとって、宿は一日で最も心安らぐホームだったに違いない。ホームはたどり着く地でもあり、出発の地でもある。
さて、松島の刺激を宿で鎮め、新しい一日に出発した子規は、仙台に何を見たのか。かかる抜粋を今に辿ってみよう。
大橋を青葉山へ渡り右に折れる。直進すると澱橋が広瀬川をまたぐ。南山閣とは国見の高台にあった伊達家老石田家の別荘だ。察するに子規は大崎八幡を横目に唸坂を上り、南山閣へ。訪ねた槐園(かいえん)とは、鮎貝槐園。気仙沼出身の歌人落合直文の実弟だ。
明治の時代、南山閣は文人歌人が集まるまさにホームだった。仙台での子規の数日がここに始まる。
(絵と文・古山拓)
下の絵は仙台大橋です。この「子規と歩いた宮城」を出版したあとに、文中の「広瀬川をまたぐ澱橋」を描いていますので、こちらに掲載しておきます。(澱橋の絵は、今は嫁いでしまいまして、手元にはありません)
仙台大橋
澱橋
文学とアートのスペシャルなコラボウィークも中日を過ぎました。今日は日曜、たくさんの方にいらしていただきました。心からありがとうございます。トップのビジュアルは、展示新作から「ウォーターシップダウンのうさぎたち」。
ギャラリートークも10席がすぐに埋まり、立ち見まで。遠くは北海道の方も。
藤村みゆきさんとの「コラボ内幕暴露トーク」もみなさんに楽しんでいただけたようでほっとしています。
伝えたかったことのひとつは、異ジャンルコラボは「壮大な?実験場」=「コラボの実験的試み=発火が、次の定番の仕事にフィードバックして行く」ということ。
お客様の中に今は現役を退いた研究者さんがいましたが、「まさしく、あなた達の言う通りです。一軒無駄に見える実験やテストの繰り返しが新しい結果を生み出すんですよ」
その言葉は私たちにおくらtれたエールとなりました。
トークを聴きにきたアルティオ常連のKyokoちゃんは、なんと、着物できてくれました。
「だって、文豪文学コラボですもの、今日はテーマに合わせて着物よ♫」
となんとうれしいことを。さすがの常連さんです。文学トーンを一段と高めてくれました。
山形余目の家具作家桑原信之くん、通称くわちゃんもサプライズ来訪、時同じくしてミュージシャンの苫米地サトロ君も。サトロ君はいつもの突然ライブを今回も演ってくれました。偶然お店にいらしたお客さんの中には、彼の歌に涙していた方も。
私たちは本当に友だちに恵まれています。くわちゃん、サトロくん、ありがとう。
そして最後に、今回陶芸指導をしてくれた陶芸家の加藤晋さんが来訪。きもちよく中日を締めくくってくれました。あらためてご指導をありがとうございました。
明日はいつもは定休日となる月曜ですが、会期中ですのでもちろんお店を開けています。藤村みゆきさんも来場します。火曜日が最終日です。ぜひ実験コラボを皆さんの目でお確かめください。
会期中は展示のことがついブログのメインになってしまいますが、とある絵本と神戸個展の制作も早朝モードで進行中です。今進んでいる絵本は、いずれ時期が来ましたらお知らせしますね。
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正岡子規「はて知らずの記」を辿る「子規と歩いた宮城」転載連載、続きをアップします。子規は多賀城政庁跡から岩切へ。松島から仙台の戻る道中です。
岩切
蓮の花さくやさびしき停車場 子規
私は、旅がくれる贈り物の一つに、「匂い」があると思っている。旅先で無意識に嗅いだ街角の匂い、食堂の換気、通り過ぎる香水の香り…。場所ごとに異なる匂いは現地でしか得られない。
そんな旅先の匂い記憶が効果を発揮するのは、日常に戻ってからだ。鼻先をかすめた空気が引き金となり、ふと旅記憶が呼び覚まされる。遥かな地を空気まるごと思い出す、極上の旅のみやげだ。
そんな嗅覚を強く刺激する場所のひとつが、駅だと思う。レールの鉄臭さをベースに、駅舎に行き交う人々の様々な想いが振りかけられているのだから、当然といえば当然かもしれない。
今回の句は、正岡子規が多賀城から仙台に戻る途中立ち寄った岩切駅に詠んだものだ。彼は駅舎の匂いを吸い込んだ。旅を終え日常に戻った子規は、東京の空の下で、ふとした拍子に岩切の空気を思い出したのではないか、そう思いたい。
塩釜、松島、そして多賀城とわずか二日間で史跡を訪ねまわった正岡子規。上野駅を出発した七月十九日から、数えて十二日がたっていた。
(絵と文・古山拓)
今日も最後まで読んでくださってありがとうございました。
あけましておめでとうございます。皆様よき新年をお迎えのことと思います。2019年の正月三が日、仙台は過ごしやすい天気に恵まれていました。アルティオギャラリー店舗は8日火曜日からの営業です。今年もよろしくお願いいたします。制作室の古山拓絵画工房ランズエンドでは今日4日から仕事が始まります。
正月三が日は読書をしたり映画を観たりと、しっかり休養をとりました。そんな元旦、お仕事をいただいている青森のポートさんから、うれしい便りが届きました。
年末に仕上げた年末メッセージカードの刷り上がりが入っていましたので、トップと文末 に紹介いたします。
ことしの新しくはじめることはいくつかありますが、ひとつに、神戸での個展があります。5月11日から16日までの一週間です。
不思議と神戸の方には縁があり、震災のときも幾人かの関西の方に助けていただいたこともあり、いつかお邪魔したいと思っていました。
会場はトアロードにあるトアギャラリーです。一週間の在廊、そして神戸滞在でどんなご縁をいただけるのか、今から楽しみです。
今年の決まっている作品展予定を以下ご案内します。
●1月中旬〜2月中旬(予定) web・日本橋Art.jp × 仙台・アトリエアルティオ共同企画展「水彩で旅するヨーロッパ」…実店舗アルティオの展示を、日本橋Art.jpさんがweb個展として連携します。アルティオ会場のみで【仙臺ちび絵】展併催。
●4/17(水)〜4/23(火)仙台・アトリエアルティオ 藤村みゆき(人形)×古山拓 二人展「文学部」展(仮題)
●5/11(土)〜5/16(木)神戸・トアギャラリー 個展
●6/10(月)〜6/16(日)銀座・ギャルリサロンドS 個展
●9/26(木)〜10/2(水)仙台・藤崎 個展
●11/2(土)〜11/10(日)新潟新発田・ギャラリー栞 桑原信之(家具)×古山拓 二人展
●12/3(火)〜12/26(木….予定・会期変更の場合あり)仙台・アトリエアルティオ ちび絵まつり
展覧会の数は幸運数の七。七つの展覧会のどこかで皆様とお会いできることを、心から楽しみにしています。
この絵は、1999年の作です。発表は同年の晩翠画廊個展でした。昨晩、その晩翠画廊20周年記念パーティへ出席してきました。
思い返せば3回目の個展が晩翠画廊での1999年。以来、晩翠さんで12回の個展を開いてきました。
過去の藤崎、川徳、大沼各百貨店、東京銀座、岡山、京都など個展の数が45回ほど。四分の一が晩翠画廊での個展でしたので、ずいぶんお世話になり、また、ご迷惑をかけてきたことになります。
過去18年お世話になり、その間に館長さんも3人の方に面倒をかけてきました。
同画廊での最初の個展は「アイルランドスコットランド水彩画の旅個展」でしたが、初代館長さんが私のアイルランド行きを知り、作品を見る前に開催を決定。すごいチャレンジャーな画廊だなあ、と思った記憶があります。
2011年震災直後3月15日からは偶然「三陸の風景展」が予定されていたのですが、ライフラインストップの中二代目館長さんが開催決行。一週間を一ヶ月に延ばして開催したこともありました。
3代目の館長さんは、雪景色だけの個展や、今までとはベクトルが違う抽象画個展を許してくださったり、懐深い理解を示してくださっています。
私はいわゆる画壇に属していませんので、個展が発表の場、そして糧を得る場です。いままで生きてこられたのは晩翠画廊さんの存在が大きかったと言っても過言ではありません。ありがとうございました。そしてこれからさらに30周年に向けてさらに大きく羽ばたくことを願ってやみません。
昨日から晩翠画廊では20周年企画の一年間リレー転がはじまりました。私は来年五月のGWに担当します。昨晩のパーティでは担当作家が壇上に登壇。まわりは大先輩の画家先生ばかり。気持ちが引き締まった夜でした。