岩手
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仙台も夕方から雪景色です。気温が下がっているのでパウダースノーっぽいです。
東北の雪は日本海側と太平洋側では質が違います。10代まで暮らしていた岩手の雪はさらさらでした。それはすなわち気温が低いということです。こどものころ、学校帰りの道路の脇の田んぼに「ばふっ!!」と背中からダイビングするのが楽しかった記憶があります。あ、もちろん、田んぼは雪原状態。
柔らかな雪なので、擬音の表現は「ずぼっ!」ではなく「ばふっ!」なのです。起き上がると雪はさらさらとオーバーの上をすべってきれいなものでした。でも長靴のなかに入って、びしょぬれ。家でしかられるのが常でしたが。
岩手の冬で思い出したのが、毎朝、長靴をストーブの前に置いてあたためておくこと。暖めておくかおかないかで登校の勢いが多いにちがうんだよね。
明日のアルティオは客足はそうないだろうけど、ちょっと早起きして雪掻きです。
絵は岩手の開拓村の雪景色。きょうあたり、冬の酪農地帯は凛とした空気に包まれています。
クライアント/東北労働金庫
媒体名/情報誌「ゆとりーぶ」
担当/表紙イラスト「平泉中尊寺・金色堂鞘堂」
使用画材/透明水彩
2013年
一つの表現にこだわらない強さ…タクの呟き
この水彩画は岩手の金ヶ崎に取材した風景です。描いていると本当に狐があらわれてくれました。野生動物は取材しているとよく出会います。
動物の絵、というと、先日、狐やうさぎのイラストをギャラリーページで紹介しましたが、子供たちが使う教材絵本の仕事をグレープシティさんから発注いただいて結構描いています。
グレープシティさんから依頼される場合、ほとんど表現の要望はありません。
原稿を読み、手に取る子供達の気持ちになると、自然にタッチが決まります。
またディレクターさんからも「内容に古山さんが最も合うと思われる表現をしてください」と言われます。
なので、表現は水彩になったり、アニメ的な表現になったりとその時々で変わります。
あらためてそんな仕事をするとき、アニメーターの頃から様々な表現を描き重ねてきたことへ私は感謝するのです。
広告出版界で求められるもの
しかし、広告出版業界ではこうも言われてきました。
「ひとつのタッチで勝負しなさい」
「あなたの表現は多様すぎてよくない…」
確かに、それも正しいと思います。
が、気がつくと30年、自分流の仕事の仕方=さまざまな表現で描く=ことで、結果、食べてこれました。
ひとつのタッチで勝負していたら、今の自分はあっただろうか?絵で家族を養えていただろうか??….疑問です。
さまざまな表現で30年
とりあえずは四半世紀が経ちました。
結果、雨漏りしない家に住み、二人の子供達を描くことで育て、家族を養ってきました。
そして今もなお、発注先として思い出してくれ仕事を出してくれるお客様がいらっしゃる。
結果表現は、水彩画で描く東北やヨーロッパから、そして、子供向けの絵本まで広がりました。
私はこれがどちらも100%自分自身で、結果オーライなのだと感じています。
これからも受け取る人が笑顔になるような風景画、水彩画やイラストを描いていきたい、そう思う昨今です。