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東北の絵

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「最上川が氾濫」のニュースに我が目を疑いました。今まで幾度となく取材で訪れた山形の一級河川です。

蛇行する様、そして両側に急な山を従える風情が好きで、作品にもしています。

アップした水彩画は、2013年に描き下ろしの注文をいただいた作品です。描いた場所は被害が出た大石田です。

被害が今以上に広がらないことを祈りつつ、被害に遭われた方々へお見舞いを申し上げます。

 

私=タク=が一年で一番好きな十月がやってきました。
昨日、広告代理店の方が藤崎個展会場に見え、あるイラスト仕事の打診を受けました。
そのプレゼンテーションサンプルとして、「南部鹿踊り」の水彩画控えを見てもらうことになりました。
今朝、控えを準備したあとに「あ、今日から十月だ」とカレンダーをめくると、なんとそこにも同じ「南部鹿踊り」の絵が…。

大好きな月のはじまりに偶然の一致。こんな小さな符号でも、めいっぱい嬉しくなりますね。

宮沢賢治のお話に「鹿踊りのはじまり」という一編があります。
鹿が踊るなんてナンセンス!とおもわれるかもしれませんが、本当に鹿がダンスするのを私は見ました。
二ヶ月ほど前,岩手の北上山地の山奥でのことです。取材で薮川地区を訪れたのですが、そのとき道の向こうからこちらをじっと見る子鹿と会ったのです。こちらがすすむと、子鹿は足でリズムを取るようにあとずさりました。その様子はまさに「鹿の踊り」でした。

その時思いました。「鹿踊りって本当にあるんだな」と。

絵のタイトルはfaeries(=妖精)です。私には鹿踊りは異界の鹿の妖精達の舞にみえてならないのです。

十月がみなさんにとってもファンタジックな月になりますように。

 

奥会津に近年台湾からの観光客が集まっていると聞きます。また、青森にもたくさんの外国人観光客が来ているとも。
東北を俯瞰しているわたしの目線と、外国人観光客の興味が一致するのは偶然なのか、必然なのか。

生まれ育ったみちのくを旅しはじめたのは20年前のことです。20代〜30代のヨーロッパ放浪ののち、とあるきっかけでそれまで見向きもしなかった東北をまわりはじめました。

ポイントは異国目線。

異国を旅する感覚でみちのくを歩くと新鮮な風景に出合えました。おのずとそれらの旅は感動を見いだすクセを培ってくれました。
普段見慣れている世界に感動する、という気持ちには、「心の角度の切り替え」が必要なのです。(それを異文化、異空間の海外旅行では意識せずに切り替わっている)

奥会津の集落と自然、津軽下北独特のラテン(!)な空気感、岩手の絶品開拓酪農地、秋田、山形の日本海に面したシブ系漁村は、観光資源の原石。

ここ数年、こと東日本大震災後、東北にインバウンド=海外からの旅行者を呼び込もう、という流れが大きなうねりになってきています。その目線に絵描き取材で培った体験を役立てることはできないものか、、、と、つらつら考えています。スケッチツアーを組もうということではありません。感動の角度をフィードバックできないか、ということです。

絵は山形の日本海風景。鶴岡から鼠ケ関に南下する途中の漁村印象です。
幹線国道を走っていては、こんな風景にはまず辿り着けません。
脇道のそれて,立ち止まって耳を澄ます。
すると、今まで見たつもりになっていた風景は、その音まで聞いていなかったということに、はた、と気づきます。

目をつぶることで心に刻まれる、いわゆる心象風景。観光誘致のヒントはそんなところに眠っているように思えるのです。

山形由良から鼠ケ関までのルート沿いの小さな港めぐり。大きな夕陽を眺めながら岸壁に寄せる波音に耳を立てる。大好きな時間です。

共時性、というんでしょうか、立て続けに同じ話題が異なる方向からやって来ることが多々あります。
昨日のこと、それは宮沢賢治でした。

こう書くと「おっ!きたな!アヤシイぞ、こいつ!」と思う方も居るかもしれませんが、別にスピリチュアルな画風を売りにしているイラストレーターではありませんし、ましてやなにかこう、カリスマをプンプンにおわせる画家でもありません。
それでもそういう体験が結構多い。いわんや目に見えない思考の磁場みたいなものってあるんじゃないかな、と思いたくなります。

昨日は宮沢賢治がらみのイラスト仕事をしていたのですが、ただ描くだけではなく今後の宮沢賢治作品の展開を考えていました。すると夜、一本のメールが。それは小学校の同級生からの「今、銀河鉄道の夜を読んでいるけど、すごい物語だね」という内容でした。心の中では、「おいおい、、今日は一体どういう日なんだ、、、。『賢治の絵をもっと描け』と言われているような、、、。」

そんなわけで、賢治絡みの絵をアップします。
水彩画は、故郷岩手の北部、岩手町郊外で出合った風景です。雪原に立つ一本の木を見た瞬間、思わず「又三郎だ」とつぶやいていました。タイトルは「風の少年」。1号程度の小品です(お客様の御宅の壁に嫁入りしています-個人蔵)

風の向くまま、なんていいますが、日々繰り返される共時性から「あらたな道筋」を考えるならば、意外にも風に乗ることができるかもしれません。get on the wind(…..とおもって生きています^_^まだ乗れてないけど)

まだ暑い日が続いています。
一筆雪景献上かしこ。

 



JR東日本「駅長オススメの小さな旅」パンフレット:水彩イラスト

山形・長井「黒獅子のおでまし」イメージ

東北水彩風景 「春待つ日々」岩手

おかげさまでイラストレーターとして絵柄に関わらせていただいたバイタルネット様2019カレンダーが完成しました。

仕事は本当に目に見えない繋がりでやってきます。この仕事もそうでした。
私は毎秋、仙台藤崎百貨店で個展を開いていますが、はじめて個展開催したときのギャラリー責任者Sさんのお声掛けがあって今に至ります。

Sさんは数年前に定年を持って退職しました。そのときに名刺のデザインを相談されたのですが、名刺のキャッチイメージに、Sさんと私を繋いでくれたポルトガルロカ岬の水彩画を添えました。

今年の頭、Sさんがアルティオに立ち寄ってくれた時、
「古山さん、仕事、仕事!」
話を聞くと、旧い付き合いの印刷会社副社長にプライベートのハガキ印刷を頼んだとのこと。その折差し出したプライベート名刺を見た副社長が「カレンダーの仕事があるのだが、この岬の絵を描いた人に頼めないだろうか、、、」
そんなご縁でいただいた仕事でした。

実はSさんは書の達人でもあります。そこで月の和名を揮毫していただきデザインに組み込む案を印刷会社にプレゼン。クライアント様からも了解いただいて、初のコラボレーションが実現したのでした。

フリーランスのイラストレーターがどういうルートで依頼をいただくか?ネット全盛の時代に置いて、もちろんネット発信は欠かせません。わたしもウェブサイト、facebookやinstagram、note、業界紙が提供するアーティスト紹介サイトなど、可能な限り使っています。
その重要性はもちろんのことですが、ここ数年、それ以上に「リアルな人間としての繋がり」が以前にもまして大切ではないか、と思うようになってきています。

絵が刷られた小さな名刺が、手から手へ渡されたことによって生み出されたカレンダーです。
もしどこかで見かけましたら、そんなことを思い出してもらえると嬉しいです。

Sさん、そしてロカ岬の絵を心に留めてくれた印刷会社の副社長に心から感謝申し上げます。

  

#東北水彩風景  仙台東照宮素描

東北水彩画 「晩秋陽光」 大石田付近・山形

東北水彩画 有壁にて 宮城・有壁