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「お疲れさまでした」
そんな思いを届ける季節がやってきましたね。新型コロナウィルスの影響で皆さんお疲れだと思いますが、お世話になった方への「お疲れさま」は笑顔の「お疲れさま」です。
先日描いた一枚は「贈り物にするための一枚=渡す方の想い出となるシンガポールと船=を水彩画で描いてほしい」という内容でした。
複数モチーフの組み合わせをご希望されていましたので、複数枚の写真データをメールでお送りいただき、まずは構図の構成からスタート。カラーラフを描いてメールで送りました。この場合のカラーラフはパソコンのペイントアプリで仮に著彩した画像データです。
いくつかの要望を反映させて、再度下絵をチェックしてもらいました。ゴーサインをいただいてから水彩本制作・納品となりました。額は深いウルトラマリンブルー系の額で合わせました。
実は最後の仕上げは額の裏側に文字を書き込むこと。いわゆる「裏書き」です。絵の「裏書き」とは、額の裏に、「贈る方のお名前」、「贈り主のお名前」、「日付」、「作者である画家の署名」を手書きで書き込むのです。
その額裏に手書きした「贈り主様」は、今回14名の方々でした。
もちろんその方々に直接お会いしたことはありません。ですが、メールでお送りいただいた14名のお名前には、笑顔がオーバーラップしていました。絵が手渡されるシーンを想像しながら丁寧に書きました。
オーダーくださった方は兵庫県の方でした。遠く兵庫から仙台の私に「お疲れさまでした」の思いを託す水彩画をおまかせいただいたことに、心から感謝しています。
そして、こんなふさぎがちな世相の昨今であっても、「ありがとう」「お疲れさま」を届けたい。そんな思いに絵で寄り添えたことが、有り難く、そして嬉しいです。ありがとうございました。
絵のオーダーページはこちらです。よかったらどうぞご覧ください。
台風の被害で関東は大変なことになっています。
私たちの暮らす仙台は被害は無かったのですが、東日本大震災時にライフラインが途絶えたときのことを昨日のことのように思い出しています。
一刻も早く被害に遭われている皆様の元に電力が供給されるよう祈っています。
台風が東北へ駆け上がってきているまさにそのとき、私たちは雨脚と架けっこするように岩手県北上市にクルマを走らせていました。
訪問先は、介護施設「さくら爽」様。
宮城と岩手の県境を過ぎると、岩手は見事に晴れて青空が。オーダーいただいていた水彩画とジクレー複製版画を無事納品することができました。
さくら爽のオーナー様との縁は2005年の盛岡川徳デパートでの個展にさかのぼります。
一点の水彩画を嫁がせていただいたことがきっかけでした。
当時お求めくださった水彩画は、盛岡の駅前「開運橋」から岩手山を見たアングルの一枚でした。奇しくもその絵の中にオーナー様のご実家が描かれていたのです。
その後も何点か嫁入りさせていただき、そんなご縁で介護施設のロゴマークや施設水彩画を制作させていただいたのです。
今回の描いた絵は、このたび施設が増築されたことに伴って、新しい角度でのオーダーでした。
本画は8号Mサイズです。そう大きくはありません。
が、ジクレー複製で1.5メートル×1メートルの額に複製を入れてほしいとのオーダーもいただきました。
入居する方や訪れる家族が通るエレベーターホールにも設置したいとのことでした。
「古山さんの絵は暖かくて「いい絵ですね」と来訪者から声をかけられるのです。施設の従業員がそんな絵を通して来訪者と交流できることで、あらためて働く職場に仕事の誇りを持ってほしいのです」
そんな想いに緻密な複製と額装に応えてくれたのは、十数年のおつきあいのある、東京のジクレー版画工房と仙台の額縁屋さんでした。
写真はエレベーターホールに架けられた絵を前に記念撮影のオーナーご夫妻と私たちです。
心からありがとうございました。
納品をすませたあと、私たちは北上市の隣、水沢市の国立天文台へ向かいました。
来年のGW直前に開催される盛岡川徳デパートでの個展の仕込みのための訪問でした。
ここ数年、宮沢賢治のCDにからむイラスト仕事をいただいていますが、あらためて賢治を画家目線で調べています。
「風の又三郎」に緯度観測所が登場します。それは、今の水沢にある天文台です。
銀河鉄道の夜や風の又三郎は、岩手の大きな宙と繋がっているのです。
天文学の「時の流れ」で見るなら、賢治の時代も令和の今もあっという間の瞬き一瞬。同じ時代に生きていると言っても過言ではないと感じました。
空を見上げる巨大なパラボラアンテナが、遥かな星空に想いを馳せる宮沢賢治に見えてなりませんでした。
「松山って、たしか漱石の坊ちゃんの舞台だったはず…」東北に住む私にとって、正岡子規と出合うまで愛媛・松山は、そんな具合のはるか彼方の地でした。はじめて訪れたのは2012年のことです。
当時商工中金カレンダーのイラストを担当しており、その取材で松山を訪問したのが私にとっての初愛媛だったのです。そして2014年、画文集「子規と歩いた宮城」が完成した後でもあり、子規博物館にご縁いただいていた学芸員さんを訪ねたのでした。
訪れる地が遠ければ遠いほど、心に対話が生まれるのが不思議です。旅は人を「にわか哲学者」に変える力をもっているように思えます。もっともただの思いつきを「深い思索」と勘違いしてしまうのも、旅の非日常の為せる技ではあります。
愛媛出身である正岡子規の連載をしているこのタイミングで、愛媛の方から水彩画のオーダーをいただきました。ご住所を拝見しておもわず瀬戸内海の曙を思い出していました。トップ絵は愛媛訪問時に訪れた瀬戸内海の印象を描いた水彩画です。 これも不思議なご縁ですね。心からありがとうございます。愛媛松山への旅はまだ続いている。そんな気がしています。
さて、連載転載中の「子規と歩いた宮城」、今回は塩竈です。松島を訪れることが夢だった正岡子規は、仙台から塩竈に歩を進めました。(今回は、書籍のページ画像をそのままアップします。)
『子規と歩いた宮城』第6回 塩釜神社・1
汽車塩竈に達す。とりあへず塩竃神社へ詣づ。 〜「はて知らずの記」より抜粋
旅をしていると、ある場所で必ず同じことを思う。そこは駅だ。列車が駅につき、改札をくぐる。そして駅前の往来をながめこう思う。「とりあえず、どこへ向かおうか。」
「とりあえず宿を探す」「とりあえず食堂に入る」「とりあえず地図を広げる」…。たくさんの「とりあえず」があるけれど、この言葉は、はじめての地に降り立った旅人の心の渦を伝える言葉だ。
たとえそこが一級の観光地で、名の通った名所旧跡があったとしても、旅人の心はダイレクトにその地へはつながらない。少なくともわたしはそうだ。
駅を出た瞬間、町の空気、通りの往来から、どっ!と無数の情報が鉄砲水のように体を突き抜ける。そこで「とりあえず」カフェに入ったりするわけだ。要は「まずは、おちつけ…」と心に言い聞かせる旅のまじないだ。
子規にとって松島塩釜は憧れの地だ。その心に渦巻いた感情は計り知れない。「とりあへず塩釜神社へ詣づ」と記した子規。彼もまた「まずはおちつけ」と世の旅人と同じ感覚を抱いたと思うのだ。
(絵と文・古山拓)
一枚の写真が、今日メッセンジャーで届きました。
開くと、東京の友人から、私が描いた絵が写っている写真が貼付されていました。荒浜小学校と復興のために植えられた綿花の花を描いた水彩画です。小学校は津波で被害を受け、閉校になりました。そのエリアに植えられたのが、塩害に強いと言われているコットンです。
「荒浜出身の人の結婚祝いに描いてもらったコットンと小学校の絵、ちゃんと使ってくれてるみたいだよ^_^」と友人。そんな絵の注文をもらったり、被災地支援にボランティア入りした関西の方々に絵を買ってもらったり、、、そんな綱渡りで糊口をしのぐことができ、2011年は乗り切れたのです。
震災から8年目の311、響くメッセージと写真でした。
子規と歩いた宮城の連載,今日は第四回です。元となっている新聞連載依頼は震災前でしたが、スタートしたのは震災後。2011年春から河北新報夕刊に二週間に一回掲載されました。思い返せばこの仕事も、荒海にもまれ沈没寸前だった私どもの貴重な浮力のひとつでした。(本書ご希望の方は、ARTIOshopからどうぞ)
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『子規と歩いた宮城』から第4回 仙台・X橋付近
「増田迄一里の道を覚束なくも辿りつきて汽車仙台に入る。」(はて知らずの記より抜粋)
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〜月に寝ば 魂松島に 涼みせん〜 子規
明治二六年七月二七日、子規仙台到着。上野をたち八日目のことだ。
仙台にたどり着いた子規は、体力回復のため数日間滞在する。
冒頭の句は、憧れの松島を眼前に仙台の宿で詠んだ句だ。
病身を押しての旅だ。岩沼から愛島を徒歩で訪ね仙台へ。
この強行軍は彼の体力をごっそり奪い取った。
しかしそれでも心はすでに月下の松島に遊んでいた。
切ないまでの憧憬。そんな子規は仙台に何を見たのだろう。
仙台駅の北に、一本の高架橋がある。宮城野橋=通称X橋だ。
たもとには古びたれんが造りの隧道が残っている。
明治のころ高架は無く、必ずしも子規が見た風景とは一致しない。
けれど「仙台と子規」という歌枕で私の脳裏に浮かんだのはその隧道だった。
時の積み重ねは美しい。その美しさは暮らす人々の思いの地層だ。
X橋の隧道を見ると、そんな思いが胸に迫る。
子規の仙台滞在は、きっと名もない誰かの心に刻まれた。
そして仙台を形づくる「地層」の一部になっているに違いない。
(註・2019年現在、X橋の隧道はありません、数年前、新しい架橋にとってかわられました。)
絵のスケッチ場所は以下でした。
今、「旅先で印象に残った町を描いてほしい」とのオーダーをいただき、イタリアの風景水彩画を描いています。資料はお客様から送られてきた数枚の旅のスナップです。
絵にするときに写真をそのまま描けばいいかというと、そうはいきません。エスキースで構図を練りなおし、アングルまで再構成し、新しい構図の「一枚」として表現していきます。
この時、役にたっているスキルが、最初アニメーター、のちにイラストレーターとして培ってきた「仮想アングル」を生み出すデッサン力だと思っています。
とくにアニメーターという仕事は,架空の世界=目の前に無い世界=を様々なアングルから描けないとなりたちません。私がアニメーターだった時代はずいぶん昔のことですが、その世界に身を置き学んだことが、今も役に立っています。
そんな仕事のさなか、嬉しいメールをいただきました。
先般別のオーダーをくださったお客様Oさんからの「贈り先からとても喜ばれました」というお礼のメールでした。
お客様のOさんとアルティオの私どもの出会いは、とあるギャラリーでの個展でした。
そのギャラリーには別の用事でいらした様子でしたが、私の描いた一枚の絵の前で足を止め、「この水彩画,素敵じゃない!?」
一度はギャラリーを後にしたのですが、再びもどっていらっしゃって、「この絵にひとめぼれ、つれて帰ってもいいかしら?」フランスの世界遺産モンサンミシェルを印象的に描いた一枚でした。
額もこだわって選んで入れていたのですが、その額のことも見抜かれて、嬉しい出会いだったのです。
絵を見るのがとても好きということで、その後、アトリエアルティオにも時々いらしてくださっていました。
そのOさんからオーダー依頼の連絡が入ったのが、一ヶ月ほど前のことです。内容は、「親しい方に赤ちゃんが生まれたので、透明水彩で描いてほしい。」というもの。
このたび、無事描き終わりプレゼントの絵は無事贈り先の方の元へ届き、「とても感謝されました、ありがとうございました」。
私どもにとっても、それはとても嬉しい仕事でした。心より感謝申し上げます。
あけて今朝、私どもとお付き合いいただいている方から電話が。
「取引先の支店長がお客様に絵を贈りたいそうだから、支店長をお連れするね!今日はいるかな?」
本当に私どもはお客様に生かしていただいています。感謝の言葉以外にみつかりません。毎日が有り難うございます、なのです。
もし、絵の注文をしてみたい、、、と思われましたら、まずは、どうぞ気軽にこちらのページよりお問い合わせください。
もうすぐ春です。
「絵って注文できるものなの?」「画家さんに描いて!ってお願いするなんてできないと思ってた」….
いらっしゃるお客様からよく言われることです。
アルティオでは注文タリフをお見せしつつ、過去作例も見てもらい、おかげさまで水彩画の注文制作をいただいています。
絵描きさんに描いてほしいものがあるけど、はたしていくら位するのか?お願いの仕方もわからない。そんな疑問をなんとかしたい、、、^_^と、当サイト内にオーダーページを作りました。
古山拓は、いままで卒業した母校の絵や、思い出の旅風景、ペットの絵、お孫さんの絵など、多数水彩画のご注文をいただいています。今日も「生まれたばかりの赤ちゃんを描いてほしい」と写真をお借りしたばかりです。
オーダーフォームから相談していただき、メールで何度かやり取りして正式に依頼が決まってから制作にかかりますのでご安心ください。
お客様のオーダーで過去描いた作品集もオーダーページ巻末に掲載していますので、どうぞご覧ください。そして、みなさんの思い出に、プレゼントに、一枚の絵を遠慮なくお問い合わせください。
アトリエアルティオ
■ 2019.1.31 NEWS ■
アルティオ店舗ではオリジナル透明水彩画のオーダーを随時承っています♩ このたびホームページを通しても気軽にオーダーいただけるよう、オーダーページを新しく作りました♩こちらです→オーダーページ
日頃の感謝を込めまして、2019年1月31日〜2月28日までに「オーダーページよりご依頼いただいたお客様」には「5%OFF」とさせていただきます♩
あなただけの世界に一枚の絵を♩ お部屋が変わります♩
オーダーページはこちらです。
アトリエアルティオに時々いらっしるお客様から、飼われている猫ちゃんを一年ごとに一枚描いてほしい、と、ちび絵制作注文をいただいています。
「ちび絵」とは、アルティオでつけた「小さな額入り水彩画」のネーミングです。画面が6.5センチ×6.5センチ。額に入っても10センチ~15センチ四方。世界に一枚だけの絵を手軽に可愛らしく楽しんでほしいとの想いを込めています。
オーダー制作の場合、写真データを様々なポーズで複数カット、メール添付でいただいての制作です。猫ちゃんちび絵は、一昨日お渡しとなり、とても喜んでいただけました。
小さいサイズですが、場所を選ばないサイズが喜ばれています。
昨日はポルトガルのリスボンの市電を描いたちび絵が嫁いでいきました。以前、ポルトガルのドアを描いたちび絵をお求めくださったお客様でした。「ポルトガルの思い出コーナーに掛けます」と選んでくださいました。
12月恒例の「ちび絵まつり」にむけて、風景、動物、はてはドイツ軍のサイドカーまで、一点一点、気持を込めて描いています。あと一ヶ月半、あっという間にジングルベルの声が聞こえてきそうです。
ちび絵のお値段は、アルティオ展示中のちび絵(6.5センチ×6.5センチ)は6.500円~9.000円+税。オーダーちび絵は10,000円+税。9センチ×9センチのちび絵は12,000円+税となっています。どうぞお気軽にお問い合わせください。