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お世話になっているお客様Hさんが、有り難くもお得意様Sさんへ私の作品を紹介くださいました。そのことがきっかけでオーダーをいただき、福島県川俣町へ取材で行ってきました。
転居することになったのを機に、今住んでいる家から見える風景を、水彩画として描き残してほしい、とのオーダーでの取材でした。もちろんそのお得意様Sさんと私が会うのははじめてです。
紹介くださったHさんの運転するクルマで、お得意様の家へ。着くと紅葉が見事。
「暮らしの思い出」を水彩画で残す。それはただ風景水彩画を描くことではないんですね。思い出を共有して描くのです。HさんとSさん、そして娘さんと会話を交わしつつの半日は、私もわずかですが「Sさんの思い出」の仲間入りすることができました
* * *
思い出は様々なかたちで蘇ります。
今朝、窓を開けたときに吸った空気は、一瞬かつて旅したイギリスのスターリングという町で泊まった旅籠の朝を思い出させました。そしてスターリングで描いた絵を見ました。すると忘れていたスターリングでの思い出が次から次へと心に浮かんできました。
空気から蘇る思い出もあれば、水彩画が呼び起こす記憶もあるのですね。
絵を描く仕事で人様の思い出に関われること。その有り難さに感謝しています。
(絵はスターリングの旅籠から描いた一枚です。夫婦がホストでしたがレンタカーのバッテリー上がりで焦った私を笑顔でサポートしてくれたり、とても素敵なオーナー夫妻でした。紅葉の写真は川俣町常泉寺から見た紅葉です。)
東北水彩画 「晩秋陽光」 大石田付近・山形
東北水彩画 有壁にて 宮城・有壁
染師 紺屋町にて・盛岡/岩手
仁賀保にて
12月のアルティオクリスマス企画「ちび絵まつり」の水彩画やアクリル画の仕込みが始まりました。6.5センチ×6.5センチのスクエアを基本サイズにしていますが、どうしても勢いあまってしまう絵もあります。そんなときは9センチ×9センチに変更、「ちょいちび絵」にしてしまいます。花から風景からはてはドイツ軍のサイドカーまで。描きたいものを楽しんで描いて行きます。
楽しんで、というとちょっと違う。おおかた描きはじめは「楽しく」スタートするのですが、小さな絵でも途中必ず「なんかちがうな…」としかめっつらになります。で、それを乗り越えたあとに訪れる歓喜。
まるで年末恒例のベートーベンの第九みたいです。
ちび絵祭りでは、今年出版された絵本「交響曲『第九』歓びよ未来へ!」(くすのきしげのり作・古山拓絵・PHP研究所)の原画も展示予定です。
アップした絵は9センチ×9センチのバラです。花びらが一枚落ちてできた間が愛おしかったです。
気にかけている方へ何かを送る。その品にちょっと添えるカード。アルティオでもプレゼント用にお求めくださるお客様にお使いいただくオリジナルのメッセージカードを作っています。もちろん、古山拓オリジナル水彩イラストを添えています。
ショップをひらいて気がつくことって、たくさんあります。メッセージカードもそのひとつでした。お客様から言われたわけではありません。それはある会社さんからのイラストのオーダーがきっかけでした。
「お客様が商品を渡すときに添えるメッセージカードの絵をお願いします」。。。この絵は、そんな依頼をくださった水産加工会社ポートさんのメッセージカードのためのイラストです。
「アルティオでも、ちび絵をお求めくださったお客様がプレゼントとして渡す時、一言添えるカードがあるといいよね」と店長。
小さなカードですが、思いのほか喜ばれています。
昨年、はじめてアルティオオリジナルメッセージカードを作りましたが、このたびさらに三種類のカードが完成しました。ちび絵をお求めの方に差し上げています。(メッセージカード三種ワンセット(108円)でもおわけしています。)
たった一言であっても気持ちって伝えられます。言葉ってすごいな。
毎年定番となりました、2019年オリジナルカレンダー(卓上のCDケーススタンドスタイル)の準備が進んでいます。今年も秋の藤崎個展(9/29~10/3)で販売スタートです。
今回の絵の内容は国内外の水彩風景画、ならびに花の絵によるアラカルト。印刷は、まかせて安心の斉藤コロタイプ印刷さん。今回も突貫の進行を強いています、、、ありがとうございます。
昨年、12月にお披露目となった、△ポップスタンドタイプ「海外風景カレンダー」も同時進行で進んでいますが、こちらは前年よりひと月早い、11月1日からの取扱いとなります。もちろん印刷される絵柄は、卓上と異なります。
2019年も古山拓オリジナルカレンダーでおむかえいただけるよう、いいカレンダーに仕上げたいと制作進行中です。もちろん例年通り、通販もいたします。ぜひ、来年おカレンダーの候補にお加えください。
今回アップの絵柄は、トップ・桜の絵が、秋田鳥海山。下にアップの絵が、ニース風景とバラの水彩画です。どの絵を何月につかうか、ほぼ半日がかりの構成作業でした。
<ニースの丘から>
<やわらかな午後>
これらオリジナルとはべつに、某医薬品会社の大判の月めくり水彩風景カレンダーも進行中です。これはメーカーから病院・医院に配られるものです。風邪引いて通院、、、なんてなったときにもしかすると目にするかもしれませんね。
ジョンシルバー、山下将軍、カリブの沈没船、インディジョーンズ、、、とこの辺りから想像するのはなんでしょう?そう、宝の山ですね。人間はどうも金銀財宝にくらむDNAを持っているようです。もちろんわたしもそう(笑) 私の場合、宝くじで三年連続一万円があたった栄光の20代を最後に、どうやら宝くじ運は使い果たしてしまったようです。
私の友人にイタコさんがいますが、その話をしたら「古山さん、その時生活が苦しかったでしょう?神様が助けてくれたのよ、もう今はその助けも必要ないからあたらないわね」,,,いいんだか悪いんだか、というわけで、ここ数年は宝くじ売り場には並んだことがありません。
話がずれました。宝の山の話でした。宝は金銀財宝というイメージが子供の頃から刷り込まれているからいけない。私が思う宝は、本。『え?本?なーんだ』とあざけるなかれ。 たとえ虚構世界であっても、人の生き方さえ変える、また気力を支える。本ほどの仮想資金源、宝の山はないと私は思っています。映画も似ているかな。 一冊数百円から千円ちょっとの本。ノンフィクションからフィクション、絵本、ジャンルは様々、これこそ仮想財宝といわずして何という(笑)
さて、そんな本にからんだ仕事をご紹介します。(と、ここからは営業^_^)
仙台文学館発行の「文学館ニュース」最新号刷り上がりが手元に届きました。「シリーズ私の一冊」の挿絵を毎回描かせていただいています。今回は俳人・高野ムツオさんの文章に挿絵を添えました。
「一冊の本が生き方を変える」ということを毎回寄稿される文章を読んでいると感じます。わたしは毎回取り上げられた本に目を通すことにしていますから、なおさらそれがわかります。やはり本は宝箱だ。
刷り上がりは一色で刷り上げられていますが、原版は水彩で着彩したイラストレーションです。なので、ここでカラー版もアップします。ご笑覧ください。