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九月のはじまりです。和名、長月。いい響きです。
皆様は長月に何にチャレンジするのでしょう?わたしの長月は、今開催中の山形大沼個展とともにはじまりました。今日も山形入りです。同時に9月27日からスタートする藤崎個展の制作と、カレンダー制作が三本。某クライアントさんからの年末へ向けての仕事やレギュラーのお仕事と、和名とは真逆のもっとも短いひと月になりそうです。
絵柄は、私の2018オリジナルカレンダー2タイプから、トップ絵に水彩画【tourist】(ヨークシャー・イングランド)、もう一枚の水彩画は【鷲たち遥かに海】。フランス・コートダジュールに旅したときの風景画、トゥレットシュルルーという鷲の巣村です。
素敵な九月になりますように!!
山形個展初日、最初に嫁いだ絵は宮沢賢治をテーマにした作品でした。お客様は大沼デパートに偶然いらした方。いつも思うのですが、絵の嫁ぎ方にはなにか見えざる力のようなものを感じます。偶然とは違うような、なにか。いつもギャラリーにあるのは不思議感。ちょっと考え過ぎかな???
遠方のお客様で、お持ち帰りをご希望となりましたので、もうその絵は会場で見られません。すでにお客様の家の壁にかけられたのかな?巣立った自分の子供のようで、やっぱり気になるものです。
今回の個展では、宮沢賢治CDの山形初お披露目ということもあり、賢治作品も数点展示しています。
今日もいい出会いを楽しみに、午後イチから会場に入ります。ありがとうございます。
仙台立町のアトリエアルティオは今日木曜と明日金曜は妻がオープンさせています。なにかのついで、こちらもお立ち寄りくださいね。(土日は妻共々山形会場へ入るため臨時休業となります)
大沼個展、会期は9月4日までです。
ぎりぎり綱渡りスケジュールはよくあるものですが、納期が決まっている場合、間に合わなかったことはあまりありません、たぶん、憶えている限りでは(笑)。
山形個展でお披露目となる水彩ポストカードも、今日、ぎりぎりで手元に納品されました。
もともと昨日納品予定だったのですが、天気の関係もあったのでしょう。今日にずれ込みました。山形へ送り出す梱包を、運送屋さんが取りに来る、わずか1時間前のことでした。冷や汗。
会期になんとか間に合った限定絵はがき5枚セットです(笑)。お便りにぜひ使ってほしいと思います。
明日、28日は、山形大沼で個展の展示搬入です。
百貨店の展示搬入は、2時間で仕上げなければなりません。50点ほどの水彩画を妻と2人で展示します。私どもの展示は結構手早いほうです(細かいところは気にしない=笑)個展をはじめたころは、配列をきちんと決めて搬入に臨みましたが、最近は雰囲気で決めます。意外と時間が無いとそれなりに落ち着くのが不思議です。一息ついたら妻の実家に宿泊。29日の初日を山形で気持ちよく迎えたいと思います。
みなさまのお越しをおまちしています。
Seaford ホワイトクリフ・セブンシスターズの足がかりになる町。
なりたい自分になる方法のひとつは、迷い旅にでること。これにうなずく方は、旅が好きな方なら多いのでは、と思います。
「明日はどっちにいこう?」ワイルドなそんな旅はおもわぬ出会いをもたらし、「感謝と導き」の関係を確信させてくれますね。自分にとっていらないものは何なのかも気づかさせてくれる。
先日、イギリス人と日本人のご夫妻と会食しましたが、私が描く仕事でいこうと決意させてくれたイギリス旅を強烈に思い出しました。
あの旅で出合った様々な出来事や、人からもらった言葉が絵描きへの道へすすめてくれた。なんていうとかっこいいけど、意外にも絵描きになるのは簡単、「わたしは絵描きです」と言えばいい。続けることが実はごっつワイルドではあるのです。続けるコツは、「逃げ道を塞ぐ」^_^これにつきます(身もふたもないな)
そんな迷い旅で出合った、カンタベリーの長屋。十数年前に描いて納めた一枚。所有者は建築コンサルタントの方。いまだに会うたびに「オフィスに掛けてあるこの絵は最高だよ」と言ってくれます。うれしい一枚です。
仕事で描いているイラストレーションへの満足度って、他のイラストレーターはどんなときに感じるんだろう?
ちなみに私は、描き上げたときは「できたっ!」と気合いが入って終わる程度。「納期間に合った〜」の安堵感=あくまでひと仕事やり終えた感で、「これは素晴らしい出来だ!」とか「オレって天才?」なんて感じは、ない。
じわっとくるのは、一年、二年経ったあとにふと見たときです。
「よくもまあ描けたもんだなあ」とか「今はこんな絵描けない、、、」としみじみくるのが不思議です。
8/26日、音楽家である榊原光裕さん・佐藤聡子さん・岸川雅裕さんのユニット、「HAPPY TOCO with ささきたかお」によるライブがJazz me blues noLaであります。『”ジャズ夏の話です”宮沢賢治が出合った洋楽はやり歌』
そのフライヤには私のイラストがつかわれていますが、もともとは数年前、CDのライナーノーツ用に描き下ろしたものです。
ライブ会場ではイラスト原画も数点展示することになっていますが、久しぶりに原画を手に取って、そのじわっ!がきました。これぞアナログ原画の魔力だ^_^
タイムラグがじわっと感じさせるのかな、、、ま、すぐ忘れちゃいますが。頭が冷えたあたりの自惚れは害がなくていいと思うのです。
ライブ情報はこちらです。賢治が好きな方、お時間ある方、ぜひぜひどうぞ!
いくつかの仕事が同時進行は,世の中の常。
どんな仕事でも複数の事柄が並列で動いているものです。絵を描くなんていう一見単純にみえる作業であっても、描いている最中に別の仕事のアイデアを考えていたりします。そんなもんです仕事人絵描きは。
…とかくと、たいそうなもんだ、と思われそうですが、私の場合、4つの事柄を同時進行させるとなると、なにかが抜け落ちる。げに危険なマルチタスク。
今日の午後のことです。絵を梱包し宅急便を出さなければなりませんでした。荷造りをして、クルマに積み込んだまではいいのですが、気がつくと集荷センターに向かうのがすっぽ抜け。考えていたのは別の仕事のこと…ハンドルは自宅アトリエに向かっていました(汗)途中ではっときづき、Uターンした自分にあきれた。
40代は5つぐらいの仕事の同時進行もできましたが、今は3つがセーフラインかな。
発送した絵は山形へ向かいました。明日から大沼で予告編用作品が展示されるとのことです。
山形と言えば、山形余目の家具作家桑ちゃんが、わざわざ立ち寄ってくれました。
先月一緒に展示したときの椅子が仙台の方に嫁いだのでした。うれしかったな。
「ぼくは地産地消作家だよ」
縁あってお付き合いいただいている児童文学作家、くすのきしげのり先生の言葉です。活躍の場は、中央の出版界、そして全国の書店、講演会場。数えきれないほどの著作と講演回数を持ちながら、それでも故郷の徳島鳴門にベースをおき創作活動しています。
地元から出る術を持てない表現者が悲しくも口にする「地元にこだわる」とは根本的に違います。先生のベースは、生まれ育った鳴門。地元での活動もしつつ、本戦は全国。先生の言う「地産地消作家」というユーモアセンスに脱帽します。
今朝、河北新報の朝刊にて、先生と8月11日に郡山で対談してきたことが取り上げられました。「交響曲『第九』歓びよ未来へ!」についてのおはなしでしたが、私は席上、流れもあって好きで何度も旅した奥会津のことを東北人として話しました。 くりかえしますが会場は福島県です。くすのき先生は徳島鳴門から、そし私は宮城仙台からの参加。そして講演内容は、国境をも越えた世界に通じること。わたしは岩手で生まれ仙台で働く東北の作家として、地域を越えて何ができるのかを、あらためて考えさせられました。
日本は狭くなりました。負け惜しみではない「地産地消作家」として私も頑張ろうと思います。
「絵本をたくさん読んでもらった子は、親になっても絵本が好きなんだ」…「会場に来た子供が親になって、また子供を連れてくるまで継続しなきゃなあ」…「そういえばわたしもなけなしの小遣いを子供達の絵本にばんばんつかいましたっけ…」…「親と子供と絵本。この三つは間違いなく未来を作る三角形のひとつですね。」
そんな会話が交わされたのは金曜日の夜の福島郡山。福島民報の記者さん、高島書房社長、児童文学作家のくすのきしげのりさんとの懇親会の席上でした。ビッグパレットふくしまで開催されているイベント「絵本ワールドinふくしま」開催前日のこと、児童文学作家くすのきしげのりさんと一緒に講演を依頼されての縁です。ちなみにくすのきさんは、作家歴30年、児童文学ワールドのトップランナーのお一人です。
オープニングセレモニーには、絵本キャラがずらり。大勢の親子の前で楽しくくすだまが割られ、会場内はあっというまに熱気にあふれていました。
わたしはくすのきしげのりさんとともに「絵本『交響曲「第九」歓びよ未来へ!」(PHP研究所・刊)のイラストレーターとして、絵の制作の裏側をお話ししてきました。
同書は、100年前、鳴門のドイツ兵捕虜収容所内で交響曲第九が日本(アジア)で初演された史実を元にした絵本です。その中で「福島会津出身の軍人松江豊寿氏」が大事なキーマンとして登場するのです。
第九アジア初演から100年目という節目を記念しての絵本発刊でしたが、その節目は偶然にも戊辰戦争から150年にもあたっています。戊辰の役で敗軍となった会津藩士の血を引き、敗者の気持ちを理解している松江所長の存在が、第九演奏に繋がったといっても過言ではなかったのです。
どんな歴史も勝者によって書かれるものです。否、歴史のみならず、日常もそうです。人が集まると、そこには主流と反主流・傍流が必ず生まれます。すべての光には影がある。そんな影となった人々の心を、一見光の側に立った人々が推しはかることができるかどうかが、良き未来を作る鍵なような気がするのです。松江豊寿さんはその心を間違いなく持っていました。
この絵本の制作では、描きながらそんなことを考えていましたので、松枝所長を輩出した福島の方に、絵描きの心の内をお伝えしたくておしゃべりしてきました。
そしてもうひとつ伝えたかった制作舞台裏が、音楽のこと。絵本なクライマックスの数見開きで、私は指揮者の手と楽団を描いています。なぜ、その絵柄にしたのか?どうしてそれ以外にありえなかったのか?をお話ししました。理由は、私が中学高校とヘタながら続けていた吹奏楽にありました。
練習を重ねに重ね、いざ本番。ステージ上に満ちる独特の緊張感。その感覚は当時第九を演奏したドイツ兵俘虜達もおなじだったはずです。数見開きはそんな吹奏楽体験から舞い降りてきた絵でした。そのエピソードをお話ししたところ、客席にいくつかのうなずきがあり、終了後に笑顔で「私もフルートをやっていました。先程のおはなしのこと、すごくよくわかります!」と言ってくれたお客さんがいました。それはとてもうれしかったです。
くすのきしげのり先生、そしてPHP研究所さんとご一緒させていただいたのは今回、二作目でした。児童書で関わった本は未だ三冊目、児童書の世界では文字通り駆け出しの画家、イラストレーターですが、こんなありえない機会をもらえたことは、いまだに信じられないことです。
主催側の福島民報さん、高島書房社長、そしてイベントをサポートする多くの出版社の方々には、とてもお世話になりました。心からありがとうございました。そして光と影をあたえてくれ、今に繋げてくれたすべてに感謝しています。
(思い返すに今回のイベントは、さながらアトリエアルティオ「おはなしの部屋△」の番外編 でした。言葉で伝えることはとても大事ですね)
さて、アトリエでは、新作の水彩画が制作進行中です。絵のサイズは60㎝×50㎝。イギリスで出合った花々と、ベンチ。
いまから、この続き。少しずつ、ゆっくり、あせらずに描こう♩
ナウントン風景_コッツウォルズ・英国