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今日のフネ図鑑展からのフネ紹介は、マルタの漁船です。
地中海のヘソあるマルタ共和国。いくつかの小島からなる国です。十字軍が遠征していたその昔、十字軍の本拠地だったこともあるようで、歴史的、地理的な要因もあるのでしょう。固有の文化をもっています。
フネのかたちも独特です。ヘサキとトモはすとんと垂直、そしてカラーリングが独特なのです。青、赤、黄色で目が覚めるよう。独特なのは小さな漁船でも舳先に目が描かれていること。
これは、フェニキア人が昔から守護神としてあがめていた「オシリスの目」ということです。古代エジプトの神様の一人ですね。先日紹介した古代ギリシャの軍船の舳先にも描かれています。地中海世界の航海の守り神だったのでしょう。
旅先でオシリスの目を見たときにまっさきに思い浮かんだのが古代ギリシアの三段櫂船でした。二千年余たっても、自然に糧をもとめる人々の自然への畏怖の念は変わらない、ということですね。
展示中のマルタの漁船の絵は二点ありますが、今日はリヤビューからの一点をアップします。トップにサムネイル表示されている絵は、2005年頃の個展で発表したマルタの港の風景でした。
今日は青葉アートスクールの冬季講座、岩手の雪景色を描いてもらいました。水彩で雪を描くということは、紙の白地を残すということです。影の色はグレイではなくあちこちの色が反映している、と、実例ふまえて伝えましたが、みなさん、わかってくださったようでうれしかったです。
さて、アルティオ展示継続中の「フネ図鑑」から今日は水彩で描いた「ブルターニュのヨット」です。
彼女(フネは女性名詞です)と出会ったのは、フランスブルターニュ半島の小さな港町でした。カンペールから路線バスを乗り継いで1時間弱くらいだったと思います。カンペールに宿を取ろうと思ったら、どこも満室。運良く部屋を予約できた町が、港町ラフォーレフーナンでした。
港には小さな漁船やヨットがもやわれていましたが、目を引いたのはそのペインティングの色合いです。
描いたヨットに使われていた色は、パープル(!)にグリーン(!!)ですよ…。この「反対色」をみごとに塗り分けるフランス・ブルターニュ人のセンスに脱帽でした。
ちなみに使っている透明水彩絵の具は、フランスのセヌリエ(Sennerier)。保湿力が高さが、私の描き方(混色)にちょうどいいのです。
作品サイズ11㎝×23.5㎝ ¥37500(税込)
ところでブルターニュはケルト文化の薫り高い地方です。
私のブルターニュ旅は、好きなケルト文化の薫りを求めて、の旅でした。
流れ行き着いたラフォーレフーナンでは、とんでもないサプライズがまっていたのです。
宿も取れず意気消沈した私たち(妻と子供同行のバックパックの旅でした)が、名も知らぬ町に流れ着いたその日、町の広場で偶然「ケルト音楽祭」が開催されていたのでした。
神様は行くべきところへ導いてくれるのだ、と、確信をもった日でした。
アルティオの語源は古代ケルト語で「クマの女神」です。仙台でケルト語を店名に使っているショップは、ごくごく少数、あっても数えるほどかと思います。ブルターニュケルトの「旅の導き」をお客様にバトンリレーできればいいな、と思っています。
今日からアルティオ斜め向かいのギャラリー喫茶・ガレで展示がスタートしました。
東北の海辺を描いた水彩風景展です。青森、秋田、岩手、宮城、山形。そして福島と東北六県をカバーしました。小さな漁村ほど絵になるのは港スケッチの定石です。
もちろん港でなくとも、漁師達が暮らす浜の風景は、「潮風が風景を美しく仕立ててくれている」ので、それだけで絵になります.
山形、秋田の海辺の集落はなかなかどうして、ついクルマのハンドルを切ってしまうのです。ここ十年ほど潮風まかせにハンドル切り続けた、そんな結果発表でもあります。
さて、同時進行でアルティオ開催中のフネ図鑑より、今日は古代ギリシャの三段櫂船の紹介です。
その昔、古代地中海世界ギリシャにアテネとスパルタが二大都市国家として君臨していました。そんなところへ東方から強大な帝国ペルシャが攻めてきます。アテネスパルタはまったく違った性格の都市国家でしたが、ペルシャが都市国家を次々落として迫り来る危機の前、主義が違うなんて言っていられない。そんなわけで、連合してペルシャと戦います。
映画になった「300」は、ペルシャ戦争のテルモピュライの戦いを描いた作品でした。主役はスパルタでした。陸軍として強いのがスパルタ、それに対して、海軍力が高かったのがアテネでした。
サラミスの海戦で名将テミストクレスが率いたギリシャ連合海軍が勝利、ペルシャ戦争が転換します。
海戦で使われた船が、三段櫂船。都市国家の低い地位の市民がオールを漕ぎ、貴族は重装歩兵として敵と刃を交えるのです。
船首に突き出た衝角を敵船の横腹にぶつけ沈める。あるいは敵船に乗り込んで白兵戦…という戦い方だったようです。
ちなみにノブレス・オブリージュという、地位に基づいた責任を果たす、というヨーロッパの貴族道徳がありますが、ルーツは古代地中海世界にあります。高貴な位の家出身の兵は、敵に一番近いところに自ら位置を取りました。高位の重装歩兵ほど戦死率が高かったといいます。
ちなみに私の学生時代の専攻は古代地中海世界の歴史でした。そんなわけでこの絵は、当時から描いてみたいな、と思っていた船なのでした。
作品サイズ27㎝×14㎝ ¥48,600(税込)
「古山拓のフネ図鑑」展のポスター紹介です。
こうして見ると、自分はその時その時で描きたいように描いているんだな、と、あらためて思います。
まったく意識はしていないのですが。。。(苦笑)
明日の祝日もアルティオはオープンします。
と、気づいたら、仙台の外は雪景色になっていました。
どうやら静かな一日になりそうです。
広告業界で職種が異なるクリエイターがパーティで集まることって、そうそうありませんが、昨晩はそんな希有な夜でした。
絵はバー・バッカスに嫁いでいった、「パパヘミングウェイ」と「グレンフィディックの薫り」です。
仙台も夕方から雪景色です。気温が下がっているのでパウダースノーっぽいです。
東北の雪は日本海側と太平洋側では質が違います。10代まで暮らしていた岩手の雪はさらさらでした。それはすなわち気温が低いということです。こどものころ、学校帰りの道路の脇の田んぼに「ばふっ!!」と背中からダイビングするのが楽しかった記憶があります。あ、もちろん、田んぼは雪原状態。
柔らかな雪なので、擬音の表現は「ずぼっ!」ではなく「ばふっ!」なのです。起き上がると雪はさらさらとオーバーの上をすべってきれいなものでした。でも長靴のなかに入って、びしょぬれ。家でしかられるのが常でしたが。
岩手の冬で思い出したのが、毎朝、長靴をストーブの前に置いてあたためておくこと。暖めておくかおかないかで登校の勢いが多いにちがうんだよね。
明日のアルティオは客足はそうないだろうけど、ちょっと早起きして雪掻きです。
絵は岩手の開拓村の雪景色。きょうあたり、冬の酪農地帯は凛とした空気に包まれています。
311メモリアル企画「海画展」(KAIGA-TEN)はじまりました。
昨日から第一期「水平線のことば絵」展がアルティオでスタートです。
同時にkaffe tomteさん、バレアリックコーヒーロースターさんでも海の絵をごらんいただけます。
ぜひ、ご来場ください。
今回アップの作品は、正岡子規「はて知らずの記」より、子規が秋田の象潟あた
「夕日に馬洗いけり秋の海」
わたしは書家ではないので、字も絵と思ってくださいね。
年末から連峰縦走のごときです。息切れで、ぱちぱちとブログ。
ただ描くのではなく、発想が試される仕事が続いているのが縦走の原因ですね。発想は脳に糖分を必要としますね、チョコがうまい♩
コレを描いてね、ではなく、こんなのがほしいのですが、、、というオーダーは坂道の傾斜が読めない登山のごとくかも。登山家ではないけれど(笑)
今日はそのうえ、エッセイ原稿を書く仕事が締め切り直前。。。これまたいつもとは全く違う脳の部位を使うんだな。。。チョコもう一個追加♩
脳と言えば、脳学の専門家が出す本の説明イラストをやっぱり現在進行形で担当中。こんなときの自分の脳ってどうなっているんだろう?今度学者さんに聞いてみよう^_^
モノヅクリ力が試されている昨今、なんとか乗り切らねば、、、がんばろう。
すみません、今回はただの独り言ですね。
絵は、仕事の山は単独峰がいいなあ、ということで、水彩で描いた鳥海山です^_^
山で食べるチョコも美味しい♩
この絵は、ありがたいことに本荘にある病院様の個室の病室にかけられています。
今年も大変お世話になりました。
2017年をふりかえってみて、大きな出来事のひとつは、新しいホームページを開設したことでした。いつもご来場くださっている皆様に、心から感謝いたします。
今年の描きおさめの一枚は、年明け11日からアルティオでスタートする企画展『海画展〜海のおはなしがくれたもの〜』の作品でした。「老人と海」の言葉から受けたイメージを私なりに描いたもの(トップ画像がそれです)
岩手日報連載中の「柳は萌ゆる」(平谷美樹・作)も年をまたぐので、年末年始は関係なく岩手の皆様にイラストレーションを毎日ご覧いただくことになります。年末に掲載となったイラストを以下にアップしますので、どうぞごらんください。
今日明日は、描くための資料書籍の読み込みが、まだ数冊…。やはりいつもどおりの仕事しつつの年末年始になりますが、昨日「柳は萌ゆる」年明け分を納品したのでちょっとほっとしています。
それでは、皆様の良い年越しを祈りつつ、2017年大晦日のご挨拶に代えさせていただきます。ありがとうございました。