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#古山拓

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10年目の3.11があと数日でやってきます。

9日からの晩翠画廊開催の個展「海のFuga [風画]3.11への手紙」の準備は梱包がすみ、あとは搬入するのみです。

実はこの個展制作と同時進行で「神戸個展・旅の空は遥か色」の制作が進んでいます。神戸は2回目。

なぜに神戸か?

実は3.11が絡んでいます。

10年前の震災のとき、流れで個展をしていたギャラリーに神戸からきたボランティアの方が立ち寄り、絵を求めてくれたのでした。「絵を買うのも支援だから」と言ってくれた神戸の人がいたのです。

神戸で個展をいつか必ず。そう決めて初めて神戸開催したのは2年前でした。

やりたいことがあっても、すぐにできるわけではない。8年経って叶うこともある。あきらめずに日々を成すと道は突然ひらけるように思います。

絵はイギリスヨークシャー、ウィットビーの港。絵の向こうに広がる海原と道は、同じなんだ、きっと。

宮沢賢治の詩に、「ジャズ夏のはなしです」があります。賢治とジャズや洋楽の繋がりは、思いのほか知られていません。

お世話になっている仙台に拠点をおく音楽プロデューサー佐々木孝夫さんが音楽と賢治を繋げる仕事をしていますが、毎年SPレコード音源をCDにまとめています。私はイラストとデザインで微力ながらそのお手伝いをさせていただいています。

ここ数日、仙台はいきなりがつんと夏がやってきました。 トップのイラストは「ジャズ夏のはなしです」CDプロジェクトが動き出した頃に描いた、サムネール(アイデアスケッチ)です。いまだ未使用ですが、結構気に入っています。

なぜか夏で賢治を思いおこすのは、そんな仕事をしているからかもしれませんが、暑い夏でも、賢治はやっぱりコート。賢治にTシャツはなぜか似合いませんね。

今まで佐々木孝夫さんプロデュースの賢治CDは4枚リリースされています。賢治好きな方、必聴ですよ。

ちなみにこちらのDestupargo’s Blogも佐々木孝夫さんが書かれています。賢治とタイタニック、そして岩手ならぬ、宮城の塩竈。。。とても興味深いです。

下の画像は、今まで佐々木孝夫さんがリリースされた、賢治CDのジャケットコレクションです。イラストは私が描いています^_^

 

 

扉の向こう。わたしが旅先で立ち止まるモチーフに、扉があります。
旅好きな方ならご存知の通り、外国の家の扉は表情が豊かです。作りや色、ドアの取っ手まで、みなオリジナリティにあふれています。
もともと築百年、二百年という建物はざらで、住人が自分らしさを出すエクステリアのひとつがドアなのでしょう。

この絵はエストニアのタリン。タイトルは「赤扉の住人」。
赤い扉が気になって描いていると、ひとりの男がドアを開けて入って行きました。
こちらは通りすがりの旅人。しかし、その扉の向こうには地に足が着いた暮らしがあります。

この扉の向こうにどんな生活があるのだろう?家族は何人なんだろう?どんな仕事をしているのかな?、、、と、いくつものストーリーが水彩画のむこうに見えてくるのです。

アルティオギャラリーに新作の扉の絵を3点、追加しました。
うれしいことに、ドアシリーズは結構人気です。
扉の向こうに待っているのは、あたらしい素晴らしき世界かもしれません。

先日、仙台市商工会議所文化観光部会主催の講演会にいってきました。

講演は二つ。 講師仙台市文化観光局長・天野元氏による、「仙台市交流人口ビジネス活性化戦略〜日本一の体験都市を目指して〜」と、 講師リクルート・じゃらんリサーチセンター長・沢登次彦氏による、「観光の未来を予測する〜仙台・宮城・東北が今からやるべきこと〜」でした。

商工会議所から案内を受け取ったときから非常に興味がわき、出席即決。 内容はとても濃く、これから先10年の海外からの観光客=インバウンドを見据えた内容で、大きな指標をもらうことができました。

絵描きがなんで?と、思われるかもしれません。もともとアルティオの私たちは海外取材するときに基本的には個人で旅します。若い頃はいわゆるザックを背負ったバックパッカーでした。 長年そういった取材旅を続けるなかでいつも思うことがありました。それは海外の観光案内所=i=インフォメーションやゲストハウスに立ち寄ったときに受ける印象、旅の多様性へのサポートです。

私の仕事は絵を描くことですが、海外取材旅でうけとってきたそんなヒントを、絵に生かしつつ地元に還元できないものか?そのことを深く考える機会になりました。

商工会議所の今回の部会の出席者で、アーティストは多分ごくごく少数だったと思います。 観光業界の方々とは異なった表現者ならではの旅で得てきた目線を「地元の観光」に活かしていくことを探る。それが観光業界のプラスになるかどうかはわかりませんが、少なくともマイナスにはならないはず。そう思いました。

素晴らしい講演をくださった天野氏と沢登氏に感謝の講演会でした。ありがとうございました。

トップ絵は、仙台駅前の路地にある仙台朝市。下の絵は、英国コッツウォルズの玄関口となる町のひとつ、バーフォードを描いた「目抜き通り」です。 もちろんこの取材旅体験にも、地元観光に役立てるヒントが隠れているはずなのです。

だれでも子供の頃、何かに影響を受けて今があります。それはある人は野球かもしれないし、サッカーかもしれない。ラグビーってこともあるし、踊ることや釣り、木登りかもしれません。自分に影響を与えたモノってなんだろう?と考えるきっかけがありました。今年四月開催する人形作家さんとの二人展企画のアイデア出しの時のことです。

過去に遡ってみます。私の場合は好きでやっていたことって、小学生の頃は、貝塚ひろしの戦記マンガや松本零士の戦場まんがシリーズをまねて描くことでした。

中学高校では映画にはまり、テレビとは違う映像アートに夢中になりました。
ヤマトや999の時代です。アニメもよく観ました。出崎統と杉野昭夫が作り出す「家なき子」「あしたのジョー2」そして原作換骨奪胎の名作「宝島」が好きでした。(過去形じゃなく今も好き)

大学では、谷口ジロー「事件屋稼業」や守村大の「イブのおくりもの」、大友克洋「気分はもう戦争」に新しい世界を見、「アキラ」は雑誌掲載のトビラをスクラップ。よくアングルをマネしてラクガキしていました。

その後、アニメーターとして社会人をスタートしましたが、それは自然な流れだったように思います。
当時のアニメーターの師匠は「いいアニメーターになりたいならアニメを観るな。映画と能を見ろ」と私に言いました。当時、能は分からなかったけど、映画だけはよく観ました。

こうみてみると、絵画がほとんど出てきません。今の自分の基層となり血肉を作ってくれたのは、紛れもなく映画とマンガ=カートゥーンでした。

昨日、人形作家の藤村みゆきさんと四月開催の二人展「ブンガク・カートゥーン展」の打ち合わせがありました。
文豪や文学を題材にした二人展ですが、タイトルにはあえてカートゥーン=マンガという言葉をもってきました。
自分にエネルギーを与えてくれた世界を大切にし、敬意を評し、楽しんでみたいと思っています。

何が生まれるか、自分でもわかりません。二人で話していると、どんどんやりたいことが出てきます。

深いところで基礎となっている感覚を大事に、それこそポップコーンのように弾き出せたら楽しいだろうなと思っています。

(アップしたマンガは二人展とは全く関係ありませんが、実話です)

アルティオによくいらしてくださるお客様、Y.Iさん。
Y.Iさんが、とあるテキストセミナーに出席、提出作例にわたしどもの「ちび絵」を取り上げ、紹介文を作ってくださいました。(「ちび絵」とは6.5センチ×6.5センチという小さなスクエア画寸の水彩画やアクリル画をあらわした、アルティオオリジナルネーミング絵画です。「海外の旅風景」「日本の風景」「花」「動物」など、さまざまなモチーフがあります。)

Y.Iさんが紡いだ文章には、描き手では書き得ない、やさしいまなざしがあふれていました。嬉しくもその文章を先日「テキストセミナーの感想の一部分」として、SNSで紹介してくれました。転載許可をいただきましたので紹介させてください。だってとても嬉しかったのです。

『ちび絵。それは画家の古山拓さんによって描かれる、あたたかな想い。ひとつひとつにストーリーがあり、その背景を知らなくても不思議と持つべき人の手に届いてしまう。両手におさまるサイズは「自分の絵」という気持ちをかきたて、愛着が増す。多彩なタッチ、様々なテーマに、ほしい絵が増えていく。』

感謝です…小さな世界から広がる、よりたくさんの物語を、丁寧に描き続けたいと思います。ありがとうございます!

今日アルティオは企画展「水彩で描くヨーロッパ展」開催中ということもあり、オープンしていました。

壁面バックヤードアトリエで描いていたちび絵は、お客様からオーダーいただいた「原爆ドーム」でした。私が昨年広島へ旅したことを知ったお客様が、「とある想い」を抱いてのオーダーでした。

小さなサイズに描く原爆ドームはとても大きく重かったです。(画像はドローイングの一部です)

描いているときは、その絵がどこに嫁いで行くのかわかりません。ただただ無心に描きます。

このちびっ子達が花束を持っている絵は、アルティオオリジナルメッセージカードに使われている一枚ですが、原画が東松島市の鳴瀬中央医院に嫁ぎました。

院長先生がアルティオで「この絵は医院の壁にかけます」と決めてくださいました。先日写真を送っていただきました。

実は鳴瀬中央医院の待合室には4枚の私の絵が架かっています。そこに座る方は体調を崩してくる方が多いでしょう。そんな待合室でまっている間、すこしでも気持ちがほぐれてくれるといいな。

花を抱えたちびっ子ピクチャーは、スマイリー。もちろん快復オーラ全開ピクチャーです。

待合室の写真から院長先生の暖かさが伝わってきました。

イラストレーターとしての作品ファイル改訂版を作りました。

絵本、エディトリアル、パンフレット、その他いろいろお仕事で描き下ろした水彩イラストからカットまで、6枚ほどにまとめています。

ギャラリーのイラストレーションコーナーでもご覧いただけます。お仕事のご依頼はもとより、解像度が高いデータが必要でしたら、遠慮なく、こちらからお気軽にどうぞ。

 

「フィンランディア」 ヘルシンキ

今、「旅先で印象に残った町を描いてほしい」とのオーダーをいただき、イタリアの風景水彩画を描いています。資料はお客様から送られてきた数枚の旅のスナップです。
絵にするときに写真をそのまま描けばいいかというと、そうはいきません。エスキースで構図を練りなおし、アングルまで再構成し、新しい構図の「一枚」として表現していきます。

この時、役にたっているスキルが、最初アニメーター、のちにイラストレーターとして培ってきた「仮想アングル」を生み出すデッサン力だと思っています。
とくにアニメーターという仕事は,架空の世界=目の前に無い世界=を様々なアングルから描けないとなりたちません。私がアニメーターだった時代はずいぶん昔のことですが、その世界に身を置き学んだことが、今も役に立っています。

そんな仕事のさなか、嬉しいメールをいただきました。
先般別のオーダーをくださったお客様Oさんからの「贈り先からとても喜ばれました」というお礼のメールでした。

お客様のOさんとアルティオの私どもの出会いは、とあるギャラリーでの個展でした。
そのギャラリーには別の用事でいらした様子でしたが、私の描いた一枚の絵の前で足を止め、「この水彩画,素敵じゃない!?」

一度はギャラリーを後にしたのですが、再びもどっていらっしゃって、「この絵にひとめぼれ、つれて帰ってもいいかしら?」フランスの世界遺産モンサンミシェルを印象的に描いた一枚でした。
額もこだわって選んで入れていたのですが、その額のことも見抜かれて、嬉しい出会いだったのです。
絵を見るのがとても好きということで、その後、アトリエアルティオにも時々いらしてくださっていました。

そのOさんからオーダー依頼の連絡が入ったのが、一ヶ月ほど前のことです。内容は、「親しい方に赤ちゃんが生まれたので、透明水彩で描いてほしい。」というもの。

このたび、無事描き終わりプレゼントの絵は無事贈り先の方の元へ届き、「とても感謝されました、ありがとうございました」。

私どもにとっても、それはとても嬉しい仕事でした。心より感謝申し上げます。

あけて今朝、私どもとお付き合いいただいている方から電話が。

「取引先の支店長がお客様に絵を贈りたいそうだから、支店長をお連れするね!今日はいるかな?」

本当に私どもはお客様に生かしていただいています。感謝の言葉以外にみつかりません。毎日が有り難うございます、なのです。

もし、絵の注文をしてみたい、、、と思われましたら、まずは、どうぞ気軽にこちらのページよりお問い合わせください。
もうすぐ春です。