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「ぼくは地産地消作家だよ」
縁あってお付き合いいただいている児童文学作家、くすのきしげのり先生の言葉です。活躍の場は、中央の出版界、そして全国の書店、講演会場。数えきれないほどの著作と講演回数を持ちながら、それでも故郷の徳島鳴門にベースをおき創作活動しています。
地元から出る術を持てない表現者が悲しくも口にする「地元にこだわる」とは根本的に違います。先生のベースは、生まれ育った鳴門。地元での活動もしつつ、本戦は全国。先生の言う「地産地消作家」というユーモアセンスに脱帽します。
今朝、河北新報の朝刊にて、先生と8月11日に郡山で対談してきたことが取り上げられました。「交響曲『第九』歓びよ未来へ!」についてのおはなしでしたが、私は席上、流れもあって好きで何度も旅した奥会津のことを東北人として話しました。 くりかえしますが会場は福島県です。くすのき先生は徳島鳴門から、そし私は宮城仙台からの参加。そして講演内容は、国境をも越えた世界に通じること。わたしは岩手で生まれ仙台で働く東北の作家として、地域を越えて何ができるのかを、あらためて考えさせられました。
日本は狭くなりました。負け惜しみではない「地産地消作家」として私も頑張ろうと思います。
中学高校と、勉強の仕方が正直わかりませんでした。非効率を絵に書いたような出来の悪い10代でした。成績はいつも中ぐらいを上下に行ったり来たり、参考書は買って満足。親にはずいぶん無駄な金を使わせてしまいました。
おとなになっても余りかわらず、ビジネス書や自己啓発書など、人並みに手にしましたが、結果は10代のころの参考書と同じです。いやはや、三つ子の魂百までとはいったものだ。
そんな昨今、久しぶりに「これは使える!」と思った本が、「清水式・定期テストで結果を出す50の習慣」(PHP研究所)。中学生向けの本です。
実は本編のイラストカットを私が手がけているのですが、(といっても数点です)その点を差し引いても、出合って良かった。
フリーランスでイラストレーターをしていると、あれもこれも自分でやらねばならないゆえに、様々な澱が知らず知らずにたまっていきます。かかる本は、あちこち言葉を置き換えることで、わかりやすく今の自分の役に立っています。
書店で見かけたら、ぱらっとひらいてみてください。中学生向けに書かれた本ですからシンプルかつダイレクト。社会人でもはっとしたり、納得する点が一見開きににひとつはあると思います。
40年前にこの本にを手にしていたら、進む道がかわっていたかもな、、、なんてね。
「交響曲「第九」 歓びよ未来へ! 板東俘虜収容所 奇跡の物語」(くすのきしげのり・作/古山拓・絵/PHP研究所)が先週、出版されました。
「あなたの一日が世界を変える」に続いて、くすのき先生とPHP研究所さんからお声掛けいただいた絵本です。体裁は全作に準じ、第二弾的あつかいです。
ベートーベンの第九がアジアで初めて歌われたのは、100年前の徳島板東俘虜収容所でした。(わたしも初めて知りました)
当時の収容所長が会津若松出身。戊辰戦争での敗北で敗軍の兵士達の気持ちをわかっていたことから手厚くドイツ兵捕虜達を迎え、捕虜達が感謝の気持ちを第九演奏に託したのがはじまり。そのエピソードを、小学生の女の子が知っていくという筋立てです。
今は年末恒例となった第九演奏、そのはじまりが戦争の傷跡と友情。信頼だったとは。。。私は岩手出身でアトリエを仙台に構えていますので、東北出身の収容所長の存在にはことさらに特別な感情がありました。平和と国境を越えた友情への祈りを込めて、描きました。
制作は現地取材はもちろんのこと、くすのき先生、編集担当者様と膝を交えてベストな表現を練り、描き上げました。(モノトーンの絵は見返しです)
私は何度か書いてきましたが、絵を学ばずに歴史を学んだ人間です。(絵は独学)今回の制作には、そのことが大きく役立ちました。
歴史は教科書に載っている有名な人たちが作っていくのではなく、名も無い人々が織り上げていくものなのです。板東から世界にひろがった第九演奏は、まさにそのことを証明しています。
おかげさまで書店発売と同時に重版が決定、初版はもう手に入らないのかな。アルティオでは20冊ほどあります。アルティオ取扱い分は、わたしのサインを入れています。ぜひ、書店で、アルティオでお求めください。